Googleカレンダーの通知とは|何ができて、どこで詰まるか
通知が来ない、あるいは来すぎる。どちらの状態でも、設定画面を開く前に一度整理しておくと近道になる考え方があります。Googleカレンダーの通知は1つの機能ではなく、届き先の違う数種類の仕組みが同じ名前で呼ばれているものだからです。ここでは、通知が何を持っていて何を持っていないのか、そして予定の時刻から手元の画面に出るまでに何を通過するのかを順番に分けます。詰まりの場所が分かれば、触るべき設定は1つか2つに絞れます。
届き先で3つに分かれている
ヘルプの説明では、通知の届き先はスマートフォン、ウェブブラウザ、メールの3つです。このうちウェブブラウザの側は、さらに2種類に割れています。
- デスクトップ通知は、カレンダーを開いているときにウェブブラウザの外側にポップアップとして表示されます
- アラートは、Googleカレンダーのウィンドウの中に表示されます
- メール通知は、受信箱に届きます
この区別を先に押さえておく意味は、届かないときに疑う場所がそれぞれ違うところにあります。デスクトップ通知が出ないなら、原因はブラウザの許可設定かパソコン側の通知設定です。アラートが出ないなら、カレンダーの画面そのものを開いていない可能性があります。メールが届かないなら、通知の設定ではなく受信側の振り分けを見ることになります。同じ「通知が来ない」でも、行き先が違えば見る場所が変わります。
なお、カレンダーの画面をまったく使っていない人にも、招待された予定が作成・更新・削除されたときにはメールが届きます。通知を全部切ったつもりで受信箱にだけ残る、という状態はここから生まれます。
3つの経路は、鳴る条件も残り方も違います。デスクトップ通知は出た瞬間を見ていないと流れていきますが、macOSの通知センターには残せます。アラートはカレンダーの画面を見に行ったときにそこにあります。メールは消さない限り受信箱に残り、後から検索もできます。予定を忘れたくないのか、後から履歴を追いたいのかで、主に使う経路は変わります。
通知が持っているのは「何分前」と「どの方法」だけ
通知の中身は、見た目より単純です。Google カレンダーの API の定義では、予定ごとの通知はカレンダーの既定値を使うかどうかの指定と、個別に上書きする一覧の2つで表現されます。上書きの一覧に入る値は2つしかありません。届ける方法(ポップアップかメールか)と、予定の開始の何分前かという数字です。
数字の範囲も決まっています。上書きできる通知は1つの予定につき5件までで、時間の指定は0分前から40,320分前までです。40,320分は4週間にあたるので、1か月近く先の締め切りを知らせる使い方も範囲の中に入っています。
この形はGoogle独自のものではありません。カレンダーのデータ形式を定めた RFC 5545 では、通知は予定の中に置かれる部品として定義されていて、鳴らし方(音・画面表示・メール)と、いつ鳴らすかという条件の2つが必須項目になっています。つまり、どのカレンダーの製品を使っても、通知が知っているのは「いつ」と「どうやって」だけです。
ここから分かることが1つあります。通知は、その予定の前後に何があるかを見ていません。移動が必要かどうか、直前の会議が長引いているかどうか、同じ時間に別のカレンダーの予定が入っているかどうかは、通知の判断材料に入っていないということです。10分前の通知が役に立たない場面があるのは、設定が間違っているからではなく、通知がそもそも前後の事情を持たない部品だからです。
通知の設定は自分だけのもので、相手には及ばない
共有しているカレンダーで戸惑いやすいのが、設定の所有者です。
通知設定は個人用であり、個人用、仕事用、学校用のいずれのアカウントを使用している場合でも、ご自身のアカウントにのみ適用されます。特定の予定の通知をカスタマイズしない限り、カレンダー レベルの設定に応じて新しい予定の通知が決まります。 出典: support.google.com
つまり、自分の予定に通知を足しても、その予定に招待した相手の画面には何も増えません。相手には相手の設定が適用されます。逆に、カレンダーを共有している相手が自分の通知設定を変えることもできません。「相手に思い出させるために通知を増やす」という使い方は成立しないので、相手に確実に伝えたい情報は予定の説明欄やメールに置くことになります。
仕事用や学校用のアカウントでは、もう1つ知っておく点があります。管理者が自分のカレンダーの予定を変更した場合、その変更については通知が届きません。予定が勝手に書き換わったように見えて履歴も通知もない、という状況はここで起きます。
カレンダー単位の既定と、終日の予定の別枠
新しく作る予定にどの通知が付くかは、カレンダーごとの既定値が決めています。設定画面では、自分がオーナーになっているカレンダーごとに「予定の通知」と「終日の予定の通知」という2つの欄が並んでいて、それぞれ別に決められます。ここを1つの値で揃えてしまうと、通知の数は予定の重要度ではなく予定の件数に比例して増えます。
終日の予定の欄が別になっているのには理由があります。終日の予定には開始時刻がないため、「0分前」を指定すると通知はその日の始まりに出ます。締め切りや更新日を終日の予定で置いている場合、当日の朝に知らされても動かせることは残っていません。終日の枠だけを前日の夕方に寄せる、という調整が独立してできるのはこのためです。
なお、この既定値の欄は自分がオーナーのカレンダーにだけ出ます。他の人から共有されたカレンダーや、外部から購読しているカレンダーには既定値の欄がないため、通知が要るなら予定ごとに付けることになります。共有カレンダーの予定だけ通知が来ない、という相談の多くはこの構造が理由です。
手元に出るまでに通る関門
サーバー側で通知の時刻が来ても、画面に出るまでにはいくつかの関門があります。ヘルプが挙げている確認事項は次の3つです。
- カレンダーの通知がオンになっていること
- ブラウザが通知を表示できる状態であること。できていなければデスクトップ通知をオンにする
- Googleカレンダーがウェブブラウザで開いたままであること
3つ目が見落とされがちです。ブラウザ経由の通知は、カレンダーのタブを閉じた時点で届かなくなります。ブラウザ側の許可も別に要ります。Chromeであれば、設定のプライバシーとセキュリティからサイトの設定に進み、通知の許可するサイトに calendar.google.com を追加する必要があります。この許可はブラウザごと、パソコンごとに保存されるので、会社のMacでは通知が出て自宅のMacでは出ない、という差はふつうに起きます。
その下にはパソコン本体の設定があります。macOSはアプリごとに通知を許すかどうか、バナーとして数秒で消すか画面に残すか、通知センターに残すか、音を鳴らすかを別々に持っています。集中モードを入れている場合はさらに一段増えて、その集中モードが割り込みを許しているアプリでなければ表示されません。ブラウザの許可を出しただけでは足りない場面があるのは、この階層のためです。
スマートフォンとパソコンは同じ設定を共有します。ヘルプにも、スマートフォンで「1時間前」の通知を設定するとパソコンでも1時間前にポップアップが出る、と書かれています。片方で整えればもう片方にも反映されるということでもあり、片方で消したつもりが両方から消えるということでもあります。ただし例外があり、Android端末で端末側のカレンダーの通知を切った場合は、パソコンとメールには通知が残ります。
同じ予定が二重に鳴るとき
通知が多いという相談の一部は、設定の数ではなく経路の重複が原因です。同じGoogleアカウントを、ブラウザのカレンダーと、スマートフォンのカレンダーアプリと、パソコンに入っている別のカレンダーアプリの3か所から見ていると、1つの予定に対して3回の通知が出ることがあります。どれも設定としては正しく動いているので、通知の件数をいくら減らしても半端にしか減りません。
ヘルプにも、別のカレンダーアプリから同じ通知が届く場合はそのアプリ側の通知を切る、という案内が用意されています。iPhoneやAndroidの本体設定でアプリごとの通知を切る手順がそれにあたります。Macでも同じことが起きます。標準のカレンダーアプリにGoogleアカウントを追加していると、そのアプリはアプリ自身のアラームとして通知を出すため、ブラウザの通知と重なります。
整理の順番は、どの経路を主にするかを先に1つ決めることです。ブラウザの通知を主にするなら、他のアプリ側の通知を切ります。パソコンに入れたカレンダーアプリを主にするなら、ブラウザ側のデスクトップ通知を切ります。主を決めずに両方から少しずつ減らすと、必要な通知だけが偶然消える形になりやすく、消えた理由も追えなくなります。
絞り込みに使える3つの設定
通知を減らす方向の仕組みも用意されています。
1つ目は、参加の返事で絞る設定です。通知設定の画面に「参加」または「未定」と返信した予定の通知のみ受ける、というチェックボックスがあります。招待されただけでまだ返事をしていない予定や、辞退した予定の通知が消えるので、社内の全体招集が多い環境では効き方が大きくなります。
2つ目は、スヌーズです。デスクトップ通知をオンにしたうえで、スヌーズ中の通知を表示するタイミングを決められます。ただし条件が2つあり、スヌーズはChromeブラウザでのみ受け取れること、そして同じ予定に通知が複数設定されている場合はスヌーズの選択肢が最後の通知にしか出ないことです。
3つ目は、カテゴリ別のメール通知です。カレンダーの設定の中の「その他の通知」で、変更された予定、予定への返答といった種類ごとに、メールで受け取るか受け取らないかを選べます。予定の直前の通知とは別の系統なので、受信箱の量だけを減らしたい場合はここだけを触れば済みます。
通知で解ける詰まりと、解けない詰まり
ここまでを整理すると、通知の設定で直せるのは「思い出すタイミング」の話に限られます。鳴る回数が多すぎる、鳴る時刻が遅すぎる、鳴る端末が違う。これらはカレンダーごとの既定値、終日の枠、ブラウザとmacOSの許可の3か所で片付きます。手順の順番は使い方にまとめてあり、予定そのものをどう登録しておくと後から迷わないかは予定の入れ方で分けています。
一方で、通知では動かせない詰まりが2つ残ります。1つは移動です。通知は前後の予定を見ないため、会議と会議のあいだに移動が挟まることを通知から知ることはできません。この観点は移動時間に切り出してあります。もう1つは、予定がどのカレンダーに入っているか分からなくなる状態です。通知は予定の存在を前提にしているので、見落としの原因が「別のカレンダーに入っていた」ことであれば、通知をいくら足しても届きません。
後者に当たる場合、判断の軸は複数のカレンダーを1つの画面に重ねて見られるかどうかになります。Mac用のカレンダーアプリで何ができるかはできることに、他のカレンダーとの違いは他のカレンダーとの比較に、価格の考え方は購入にまとめています。導入前に出やすい疑問はよくある質問で確認できます。1週間だけ、届いた通知の数と、そのうち行動が変わった通知の数を数えてみると、どちらの詰まりに当たっているかがはっきりします。
よくある質問
デスクトップ通知とアラートは何が違いますか?
デスクトップ通知は、カレンダーを開いているときにウェブブラウザの外側にポップアップとして出る通知です。アラートはGoogleカレンダーのウィンドウの中に出ます。出ない原因も分かれていて、デスクトップ通知が出ないときはブラウザの許可とパソコン側の通知設定、アラートが出ないときはカレンダーの画面を開いているかどうかを先に確認することになります。
1つの予定に通知はいくつまで付けられますか?
上書きできる通知は1つの予定につき5件までです。時間は開始の0分前から40,320分前まで指定でき、40,320分は4週間にあたります。方法はポップアップとメールの2つから選べるので、前日にメール、直前にポップアップ、といった組み合わせも同じ5件の枠の中で作れます。
自分が通知を足すと、招待した相手にも通知が増えますか?
増えません。通知設定は個人用で、自分のアカウントにだけ適用されます。招待された側には、その人自身のカレンダーの設定が適用されます。共有相手が自分の通知設定を変えることもできないため、相手に確実に伝えたい内容は通知ではなく、予定の説明欄やメールなど本文が残る場所に書いておく形になります。
共有されたカレンダーだけ通知が来ないのはなぜですか?
カレンダーごとの既定の通知を設定する欄は、自分がオーナーになっているカレンダーにだけ表示されるためです。他の人から共有されたカレンダーや外部から購読しているカレンダーには既定値の欄がないので、通知が必要な予定については予定ごとに通知を追加する形になります。件数が多い場合は、自分のカレンダーに写しの予定を作る運用のほうが手数が少なく済みます。