Googleカレンダーの権限がうまくいかないとき|確かめる順番

権限は渡したはずなのに、相手のカレンダーに出てこない。ブラウザでは見えているのに、Macのカレンダーアプリには並ばない。編集できるはずの予定をクリックすると読み取り専用になっている。どれも同じ「権限がおかしい」という言い方でまとめられがちですが、原因のある場所はまったく違います。

この種の問題は、設定を思いつく順に触ると長引きます。効くのは、症状を先に分類してから、上の層から順に潰していく進め方です。以下では確かめる順番を固定して並べます。

まず症状を3つに分ける

原因の切り分けは、次の3つのどれに当たるかを決めるところから始まります。

  • カレンダーそのものが相手の画面に出てこない
  • 出てはいるが、予定の中身が「予定あり」としか見えない
  • 出ていて中身も見えるが、編集しようとすると弾かれる

1つ目は共有が成立していない可能性が高く、2つ目は成立したうえで段階か公開設定が効いている状態、3つ目は段階の選び間違いか、上位の設定による制限です。それぞれ確かめる場所が違うので、ここを飛ばすと無関係な設定を何度も触ることになります。

症状がMacだけに出ている場合は、上の3つとは別の系統です。ブラウザで同じアカウントを開いて正常に見えるなら、Googleの側の権限は成立しています。その場合はGoogleの設定を触っても何も変わりません。端末側の同期の話に切り替えます。

共有が相手に届いているかを確かめる

1つ目の症状、つまり相手の画面にカレンダーが出てこない場合から見ます。

Googleカレンダーの共有は、渡した時点では完了していません。共有した相手にはメールが届き、その中のリンクをクリックしてはじめて相手のカレンダー一覧に追加されます。公式のヘルプは、相手がメールを見つけられない場合の手順としてこう書いています。

メールアドレスが正しいことを確認します。迷惑メールまたはゴミ箱のメールフォルダを確認するよう依頼します。あなたのメールを検索するよう依頼します。相手を共有リストから削除して、もう一度追加します。 出典: support.google.com

最後の「削除してもう一度追加する」が実際には効きます。招待のメールが迷惑メールに落ちて消えた場合、追加した側の画面には相手の名前が残っているので、渡した側からは正常に見えます。相手の側だけに何も届いていない状態が成立します。

共有した相手がグループのアドレスだった場合は、別の見え方をします。グループに渡した権限は、グループの名簿に載っている人に届きます。名簿から外れた人の画面からはカレンダーが消え、あとから加わった人の画面には出てきます。「昨日まで見えていたのに今日は見えない」という報告が出たら、共有の設定を触った覚えがなくても名簿の側が動いている可能性があります。共有の一覧にはグループ名しか並ばないため、渡した側の画面を見ても変化は分かりません。

アドレスの取り違えも起きます。相手が複数のGoogleアカウントを持っていて、共有した先が普段使っていないほうだった場合、相手はログインしているアカウントを疑いません。相手の画面に出ないときは、どのアドレスに渡したかと、相手がどのアドレスで開いているかを突き合わせるところまでやると早く終わります。

組織の設定が上限になっていないか

相手に届いてはいるが中身が見えない、という2つ目の症状に移ります。ここで最初に疑うのは自分の設定ではありません。

職場や学校のアカウントでは、管理者が設定した共有の上限を利用者が超えることはできません。管理者向けのドキュメントは、組織外への共有を「予定あり・予定なしのみ」に制限した場合、個別の予定を共有しても相手には予定ありとしか見えないと明記しています。自分の画面では詳細を渡したつもりの設定になっているのに、相手には何も見えない、という食い違いがここで生まれます。

この設定は、組織外向けと組織内向けで別々に持っています。さらに、利用者が自分で作った2つ目以降のカレンダーには別の設定が当たります。社内の相手には見えるのに社外の相手には見えない、という症状が出たら、まずこの区別を疑う場所として押さえておきます。

反映の遅れもあります。管理者が設定を変えてから実際に効くまで、最大24時間かかる場合があると書かれています。変更を依頼した直後に確かめて見えなかったとしても、それだけでは失敗と判断できません。

なお、設定が組織単位と部署単位の両方にある場合、グループの設定が部署の設定より優先されます。部署の設定だけを見て「制限していないはず」と判断すると、実際には別の設定が効いていた、という結末になります。

3つ目の症状、つまり見えているのに編集できない場合も、疑う順番は同じです。組織外への共有が「すべての情報を共有するが、外部のユーザーは変更不可」で止まっていれば、個人の設定でいくら上の段階を選んでも編集はできません。社外の相手から「読み取り専用になっている」と言われたときに、自分の画面で段階を上げ直しても何も変わらないのはこのためです。相手が社内であれば組織の上限ではなく渡した段階そのものを見ますが、社外であれば先に上限を確かめたほうが早く終わります。

非公開の予定と、真ん中の段階

中身が見えない症状には、設定が正しく効いているだけの場合もあります。

予定には公開設定があり、「非公開」にした予定はカレンダー側で詳細を渡している相手にも「予定あり」としか見えません。相手から「1件だけ中身が見えない」と言われたときは、共有の段階ではなくその予定の公開設定を見ます。

もう1つ、権限の段階の1つが独特の見え方をします。「変更可能(限定公開の予定を、予定の有無としてのみ表示)」を渡した相手には、非公開の予定が「予定あり」の場合は中身のないブロックとして映り、「予定なし」の場合はカレンダーに表示されません。後者は「予定が消えた」という報告になりがちですが、消えてはいません。段階と公開設定の組み合わせがそう見せています。

繰り返しの予定で「1回分だけ非公開にしたはずなのに全部隠れた」という報告も同じ系統です。公開設定はシリーズ全体で1つしか持てないため、1回分を変えるとシリーズ全体に当たります。

タスクも混同されます。開始と終了の時刻を持たないタスクは常に非公開で、どの段階を渡しても相手には見えません。時刻を持つタスクは「予定の詳細を変更、表示可能」以上を渡した相手にだけ中身が見えます。予定と同じ基準で考えると合いません。

ブラウザでは見えるのにMacに出てこない

ここからは端末側の話です。Macのカレンダーアプリに共有されたカレンダーが並ばない、という症状は非常に多く、しかも原因がGoogleの権限とは無関係です。

Googleアカウントを追加したとき、自動的に同期されるのは「マイカレンダー」に入っているカレンダーと誕生日だけです。他人から共有されたカレンダーは「他のカレンダー」に入るため、この自動同期の対象から外れています。出すには、Googleカレンダー側にある同期用のページで、そのカレンダーにチェックを入れて保存する操作が要ります。保存したあと、カレンダーアプリ側で再読み込みをかけると並びます。

もう1つ、Macのカレンダーアプリの設定に「委任」という項目があります。以前この委任の仕組みで同期させていた場合、そのチェックが残っていると同期そのものが動きません。公式のヘルプは、委任のチェックをすべて外すよう案内しています。設定のアカウント画面を開いて確かめる場所です。

更新の間隔も見ておきます。同じアカウント画面にカレンダーの更新頻度を選ぶ項目があり、ここが長い間隔になっていると、権限を変えた結果が反映されるまで時間がかかります。急いで確かめたいときは手動で更新をかけます。

アカウントの取り違えも、Macでは起きやすくなります。1台のMacに複数のGoogleアカウントを追加していると、カレンダーアプリの一覧には同じような名前のカレンダーが並びます。共有されたカレンダーがどのアカウントに紐づいているかを間違えたまま、別のアカウント側で同期の設定を探しても見つかりません。カレンダーアプリの一覧はアカウントごとにまとまって並ぶので、まず所属を確かめてから設定の画面に移ります。

以前その端末で同期していた相手の設定を下げた場合、端末に残ったデータがしばらく表示され続けることがあります。管理者向けのドキュメントは、この場合に端末のデータを消して再同期するよう案内しています。設定を変えても相手の画面から消えないときは、この残りを疑います。

そもそも動かない機能を追いかけていないか

不具合として追いかけているものが、最初から用意されていない機能である場合があります。時間の使い方としてはこれがいちばん損なので、早めに確かめておく価値があります。

Macのカレンダーアプリでは、Googleカレンダーの機能のうちいくつかが動きません。予定のメール通知、新しいGoogleカレンダーの作成、会議室の予約の3つは、アプリ側から扱えないと公式に案内されています。「共有した相手に通知が飛ばない」「アプリから新しいカレンダーを作れない」という症状は、権限をどう変えても解決しません。

アプリ側のアクセス権も、Googleの権限とは別に2か所あります。1つはGoogleアカウントに対して許可したもので、アカウントの設定にある接続済みアプリの一覧で確認できます。もう1つはMac本体が与えたもので、システム設定のプライバシーとセキュリティにあるカレンダーの項目です。症状の出方が違うので見分けられます。前者が足りないときはアプリにカレンダーが1つも出てこず、後者が足りないときはそもそもアプリが予定を読みに行きません。

権限を絞った結果として止まる機能もあります。双方向の同期、会議の出欠の返信、前後の予定から移動時間を計算する動作は、いずれも読み書きの両方を前提にしています。読み取り専用にしたあとでこれらが動かないのは、不具合ではなく設計どおりの結果です。

確かめ終わったあとに残るもの

ここまでの順番で潰していくと、多くの場合は共有が届いていないか、組織の上限か、端末側の同期設定のどれかに当たります。原因が分かったあとに残るのは、同じことが繰り返し起きる構造のほうです。

共有されたカレンダーが端末に出てこない問題は、カレンダーの数が増えるほど起きやすくなります。仕事用と個人用、チームの共有、外部から登録したもの。持っているカレンダーが多いほど、どれが同期の対象に入っていてどれが外れているかを把握しづらくなります。1つの画面にまとめて並べる作りはできることに整理してあります。

もう1つ残るのが、権限を絞ったあとに増える手数です。相手のカレンダーを直接触れなくなれば、招待を出して返事を待つ経路に変わります。ここで予定を入れる速度が遅いと、絞った設定は結局元に戻されます。話し言葉と音声で予定を入れられるかどうかで1件あたりの所要時間が変わるため、入力の経路は予定の入れ方で確かめておく価値があります。他のカレンダーとの違いは他のカレンダーとの比較にまとめてあります。

不具合を追いかけるときの原則は1つです。症状が出ている場所と、設定を触る場所は違うことが多い。上の層から順に確かめると、触らなくてよい設定に手を出さずに済みます。

よくある質問

カレンダーを共有したのに、相手の画面に出てきません。何を確かめればよいですか?

共有した相手にはメールが届き、その中のリンクをクリックしてはじめて相手のカレンダー一覧に追加されます。メールが迷惑メールに入っていないかを確かめてもらい、見つからない場合は共有リストから相手を一度削除して、もう一度追加するのが確実です。相手が複数のGoogleアカウントを持っている場合は、渡した先と相手が開いているアカウントが同じかどうかも突き合わせます。

詳細を渡したはずなのに、相手には「予定あり」としか見えません。

職場や学校のアカウントでは、管理者が設定した上限を超える共有はできません。組織外への共有が予定あり・予定なしのみに制限されていれば、個別の予定を共有しても相手には予定ありとしか見えません。社内の相手には見えて社外だけ見えない場合はこれに当たります。加えて、その予定の公開設定が「非公開」になっていないかも確かめます。

ブラウザでは見えている共有カレンダーが、Macのカレンダーアプリに出てきません。

自動的に同期されるのは「マイカレンダー」にあるカレンダーと誕生日だけで、他人から共有されたカレンダーは対象から外れています。Googleカレンダー側の同期用のページで対象にチェックを入れて保存し、アプリ側で再読み込みをかけます。カレンダーアプリのアカウント設定に「委任」の項目があり、そこにチェックが残っていると同期自体が動かないので、あわせて確かめます。

権限を絞ったら一部の機能が動かなくなりました。設定を戻すべきですか?

機能と権限が1対1でつながっている部分があります。双方向の同期、会議の出欠の返信、前後の予定から移動時間を計算する動作は、いずれも読み書きの両方を前提にしているため、読み取り専用にすると止まります。その機能を使うかどうかで決める話です。なお、予定のメール通知や新しいカレンダーの作成は、Macのカレンダーアプリでは元から扱えないため、権限を戻しても動きません。

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