google カレンダー for mac|4つの置き場所と失う機能
「google カレンダー for mac」で調べても、Appleのパソコンに入れる公式のアプリは見つかりません。出てくるのはブラウザで開く手順と、他社が作ったアプリの一覧です。この記事では、Macの上でGoogleカレンダーを置ける場所を4つに整理し、それぞれで何が使えなくなるのかを先に示します。読み終えたときに、自分がどの置き場所のどの制約で詰まっているのかを見分けられる状態を目指します。
公式のMac用アプリが無いことは、Google自身が書いている
置き場所を選ぶ前に、前提をひとつ確定させておきます。Googleは、パソコンにカレンダーを導入する方法についてヘルプに明記しています。
ヒント: パソコンにカレンダーをダウンロードしてインストールすることはできませんが、オフラインで使用することは可能です。 出典: support.google.com
同じヘルプは、パソコンでの利用手順を「ブラウザで calendar.google.com を開く」と書いています。つまりGoogleが想定しているMacでの姿は、ブラウザの中のWeb版です。AndroidとiPhone向けにはアプリを配っているので、スマートフォンではアプリ、パソコンではブラウザ、という線引きになっています。
この線引きが分かると、検索結果の見え方が変わります。「Mac版Googleカレンダー」と名乗っているものは、どれもGoogleが作ったものではありません。中身は3種類のどれかです。Web版を独立した窓で開く仕掛け、CalDAVという共通の通信方式でGoogleのサーバーから予定を取り出す他社アプリ、そしてmacOSに最初から入っているカレンダーです。どれも同じアカウントの同じ予定を見ているので、「予定が入っているかどうか」では選べません。選ぶ材料になるのは、そこで何が使えなくなるかのほうです。
Macに置ける4つの場所と、それぞれの守備範囲
まず全体像を並べます。ここで挙げる4つは排他ではなく、実際には2つ以上を併用している人が多数派です。
| 置き場所 | 予定の読み書き | 通知の鳴り方 | 落ちやすいもの |
|---|---|---|---|
| ブラウザのタブ | Web版の全機能が使える | ブラウザを開いている間だけ | タブが埋もれて見なくなる |
| Web版を独立した窓にする | Web版の全機能が使える | 窓を開いている間だけ | 窓の数がひとつ増える |
| macOS標準のカレンダー | 予定は読み書きできる | OSの通知として鳴る | Googleに固有の機能 |
| 他社のカレンダーアプリ | 予定は読み書きできる | OSの通知として鳴る | Googleに固有の機能と費用 |
表の右端が、この記事の中心です。上2つは機能を全部持っている代わりに、アプリとしての居場所を持ちません。下2つはアプリとして常駐する代わりに、Googleが共通仕様の外側に作った機能を受け取れません。どちらを選んでも何かが減る構造になっていて、減らしてよいものが人によって違うので、比較記事の結論が割れます。
判断を早める質問は2つです。1つ目は「Googleタスクと予約スケジュールを週に何回開くか」。2つ目は「通知に気づかずに遅れたことが直近1か月で何回あったか」。1つ目の答えが多い人はWeb版側に、2つ目の答えが多い人はアプリ側に寄せたほうが損が小さくなります。
ブラウザに置いたままにすると何が起きるか
Web版は機能では最強です。それでも不満が出るのは、ブラウザという入れ物の性質によります。
ひとつはオフラインの扱いです。Googleは設定からオフライン カレンダーを有効にできますが、条件が明確に決まっています。動くのはChromeブラウザで、見られるのは過去4週間と今日以降の予定です。そしてオフライン中は予定の作成や編集ができず、ゲストへのメール送信もできず、タスクにも触れません。読むだけの状態になります。移動中の新幹線や機内で「予定を1件足しておこう」と考えたときに、この制約が効いてきます。
もうひとつは通知です。ブラウザのタブとして開いている限り、通知はブラウザの生死に依存します。作業でウインドウを閉じた瞬間に、その日の通知の受け口が消えます。Web版を独立した窓として切り出す方法は、この点を少しだけ改善しますが、窓を閉じれば同じことです。
3つ目は視界です。カレンダーは1日に何度も開くものなので、開くまでの手数が増えるほど見なくなります。タブが20枚並んだ中の1枚になると、朝に一度開いて満足して、その日はもう見ません。予定が動いたことに気づくのが翌朝になる型は、ここから生まれます。
なお、Web版でしか触れない設定もいくつかあります。表示言語と地域、メインのタイムゾーンとセカンダリのタイムゾーン、メインメニューに出す世界時計、新規予定の既定の長さとゲストの権限、週の開始日といった項目は、Web版の設定画面に集まっています。他社のアプリ側でも似た名前の設定を持っていますが、それはそのアプリの中だけの表示設定であって、Googleのサーバー側に保存される値ではありません。スマートフォンや別のパソコンでも同じ挙動にしたい設定は、Web版で変えるのが確実です。
macOS標準のカレンダーに読ませたときに落ちるもの
macOSに入っているカレンダーは、アカウントを追加するだけでGoogleの予定を読み込みます。追加費用はかからず、通知はOSの通知として鳴り、Macを起動していれば常に動いています。ここまでは素直です。
落ちるのは、Googleが共通仕様の外側に作った部分です。Googleタスクはカレンダーの予定ではなく別のサービスなので、共通の通信方式で取り出せません。予約スケジュールも同じ扱いです。こちらは個人のGoogleアカウントでも作れますが、Googleのヘルプは作成にパソコンのウェブブラウザが要ると書いていて、スマートフォンのカレンダーアプリでは作成できないとしています。作成後の予約ページも、他社のアプリの画面には出てきません。
共有の権限も注意点です。Googleカレンダーの共有権限は5段階あり、時間枠だけの表示、詳細の表示、限定公開を除く変更、詳細の変更と表示、そして変更および共有の管理、という並びになっています。他人が所有するカレンダーを自分がさらに誰かへ共有するには、いちばん上の権限を付与してもらう必要があります。この設定はWeb版の共有画面から行うもので、標準のカレンダーの画面には出てきません。権限まわりで詰まったときはWeb版に戻る、と決めておくと迷いません。
複数のアカウントを1つの画面に並べるときの制約
仕事用と個人用でGoogleアカウントが分かれている人は、置き場所の選び方がもう一段変わります。Web版は1つのアカウントにログインした状態で動くため、別のアカウントの予定を同じ画面に出すには、片方から片方へカレンダーを共有するか、ブラウザのプロフィールを分けて2つの窓を開くことになります。前者は共有の権限設定が必要で、後者は窓が2つに増えます。
共有で寄せる場合、さきほどの5段階のどれを渡すかで見え方が変わります。詳細の表示だけを渡すと、寄せた側の画面では予定名と時刻は見えますが編集はできません。編集までしたいなら詳細の変更と表示か、その上の権限が要ります。仕事用が会社のアカウントの場合、そもそも組織外への共有を管理者が禁止していることがあり、その場合は個人側から仕事の予定を触る手段がありません。
Macに常駐するカレンダーアプリ側は、この点では素直です。アカウントを複数登録して同じ画面に重ねられるので、共有の権限を触らずに済みます。ただし前の節で書いたとおり、Googleに固有の機能はどのアカウントについても落ちます。アカウントの数が多い人ほどアプリ側の利点が大きく、タスクと予約枠を多用する人ほどWeb版側の利点が大きい、という分かれ方になります。
通知を1か所に集める、という決め方
置き場所を決めるときに効く軸が、通知をどこで鳴らすかです。GoogleカレンダーはWeb版とスマートフォンのアプリと標準のカレンダーで、それぞれ別々に通知の設定を持ちます。3か所すべてをオンにしておくと、同じ予定について3回鳴ります。鳴りすぎた通知は無視する習慣を作るので、結果として大事な1件も見落とします。
この重複は、置き場所を増やした直後に起きます。標準のカレンダーにGoogleアカウントを足した日から、Web版の通知と標準のカレンダーの通知が並走しはじめるのに、追加した側の設定しか見ていないので気づきません。数日経って「やたらと鳴る」と感じたときには、どちらが鳴っているのか区別がつかなくなっています。
現実的な整理は、パソコン側の通知を1か所に決めて、残りを黙らせることです。Web版を主にするならブラウザの通知だけを残し、標準のカレンダーの通知は切ります。アプリを主にするなら逆にします。スマートフォンは外出時の受け口として残しておくと、二重にはなりますが場所が違うので邪魔になりません。
通知の内容も見直す価値があります。予定の10分前という既定値は、同じ建物の中の会議には合いますが、移動が入る予定には合いません。着席時刻の10分前ではなく、家を出る時刻に鳴らないと意味がないためです。移動時間を予定として持たせる考え方は移動時間にまとめてあります。予定と移動を別々の枠として置けると、通知の時刻を出発に寄せられます。
入力の手数から逆算して置き場所を決める
ここまでは「見る」側の話でした。実際に1日で回数が多いのは、見る動作ではなく入れる動作です。会議の終わりに口頭で決まった次回を、あとでフォームを開いて日付と時刻と件名を打ち直す。この往復が1日に数回あると、入力そのものを後回しにして、記憶から消えます。カレンダーが現実とずれる原因の大半はここにあります。
だから置き場所の比較では、入力の手数を軸に入れると答えが早く出ます。書いた文をそのまま予定に変えられるか、話し言葉と音声で予定を入れられるかは、機能表では1行ですが、1か月では入力できた件数の差になります。入力経路の考え方は予定の入れ方に整理してあります。どこまでを自動で解釈させて、どこからを手で直すのかを先に決めておくと、道具を替えたときの評価がぶれません。
置き場所ごとの機能差をまとめて見たい場合は他のカレンダーとの比較が使えます。同期の方式、入力の経路、費用の形という並べ方をしているので、いま自分が使っている置き場所がどの列に当たるかを確認してから読むと、足りていない列が見つかります。費用をかける段階かどうかを判断する材料は購入にあります。
次に変える1か所を決める
全部を一度に変えると、良くなったのか悪くなったのかが分かりません。置き場所とアプリと通知設定を同じ日にまとめて動かすと、翌週に不満が残っていても原因を1つに絞れず、また全部を戻すことになります。変えるのは1か所です。オフラインで書けないことに詰まっているなら、置き場所をアプリ側に移す。Googleタスクと予約スケジュールを毎日開くなら、Web版を独立した窓にして残す。通知に気づけないなら、置き場所は変えずに鳴る場所を1か所へ寄せる。判断の材料が足りないときはできることで、アプリ側に移したときに何が増えるのかを確認してから決めてください。
よくある質問
Mac用のGoogleカレンダー公式アプリは本当に存在しないのですか?
存在しません。Googleのヘルプは、パソコンにカレンダーをダウンロードしてインストールすることはできない、と明記しています。パソコンではブラウザで calendar.google.com を開く形が公式の使い方で、アプリを配っているのはAndroidとiPhone向けだけです。「Mac版」と名乗るものは他社製か、Web版を独立した窓で開く仕掛けのどちらかです。
標準のカレンダーにGoogleアカウントを追加すると、予定は全部見られますか?
予定そのものは読み書きできますが、Googleが独自に作った部分は出てきません。Googleタスクはカレンダーの予定ではなく別のサービスなので同期されず、予約スケジュールも画面に現れません。予定の閲覧と作成が中心の使い方なら支障は小さく、タスクと予約枠を毎日使うならWeb版を残したほうが失うものが少なくなります。
オフラインでもMacでGoogleカレンダーを使えますか?
設定からオフライン カレンダーを有効にすれば使えますが、条件があります。動くのはChromeで、表示できるのは過去4週間と今日以降です。オフライン中は予定の作成や編集、ゲストへのメール送信、タスクへのアクセスができません。移動中に予定を書き足したいなら、Macに常駐するカレンダーアプリ側で入力するほうが確実です。
通知が二重に鳴るのはどうすれば止まりますか?
Web版、スマートフォンのアプリ、Macのカレンダーアプリは、それぞれ独立した通知設定を持っています。同じ予定に対して複数がオンだと、その数だけ鳴ります。パソコン側で鳴らす場所を1つに決めて残りを切り、スマートフォンは外出時の受け口として残す形が扱いやすい配分です。設定はアプリごとに行う必要があります。