googleカレンダーのpc版ショートカット|押しても効かない理由
解説記事のとおりに「cを押すと予定が作られる」と書いてあったので押してみた。画面は何も変わらない。googleカレンダーのpc版ショートカットを調べている人の多くが、まずここで止まります。記事が古かったわけではありません。ブラウザで開くGoogleカレンダーは、キーボードショートカットが初期状態で無効になっていて、設定で有効にするまで単独キーは1つも反応しないためです。
つまずきを超えたあとに見えてくるものの方が重要です。公式に載っているキーの数は思ったより少なく、しかも移動と表示の切り替えに偏っています。1週間で最も時間を食う操作、つまり予定を動かす作業には、割り当てられたキーがありません。この記事では、有効にする手順と全キーの一覧、効かないときに確認する場所、そして一覧に載っていない操作の3つを順に整理します。
そもそも「pc版」という言い方が生まれる理由
Outlookや標準のカレンダーのように、パソコンに入れて使うGoogleカレンダーを探して「pc版」と検索する人がいます。しかしその形は存在しません。Googleのヘルプに、はっきりそう書かれています。
パソコンにカレンダーをダウンロードしてインストールすることはできませんが、オフラインで使用することは可能です。 出典: support.google.com
ショートカットの性格は、この1文でほぼ決まります。パソコンに入れるアプリはウインドウ全体を自分のものとして扱えるので、⌘やoptionを組み合わせた複雑なキーを自由に割り当てられます。一方でブラウザで動くものは、macOSがまず取り、次にブラウザが取り、残った分だけがカレンダーに届きます。Googleカレンダーのショートカットがcやtやeといった飾りのない単独キーばかりなのは、単独キーだけが誰にも取られずに残る場所だからです。
Macを使う人にはもう1つ関係する制限があります。Googleの対応ブラウザの説明には、Firefox、Safari、Microsoft Edgeではカレンダーのオフラインアクセスとユーザー補助ツールがサポートされていないと明記されています。Macの初期設定のブラウザはSafariですから、キー操作で快適に回していても、回線が切れた瞬間に手元には何も残らない状態になり得ます。オフラインでも触れる状態を前提にするなら、ブラウザをChromeに寄せるか、パソコンの中で動くカレンダーを別に用意するかの2択になります。
設定で有効にするまで、キーは1つも反応しない
有効にする手順は短く、20秒ほどで終わります。
- パソコンでGoogleカレンダーを開く
- 右上の設定アイコンから設定を開く
- 「キーボード ショートカットを有効にする」をオンにする
- ページ下部の保存をクリックする
有効にしたあと、カレンダーの画面で「?」を押すと、その場で使えるキーの一覧が重なって表示されます。信用すべきはこちらです。ヘルプページは更新が遅れることがありますが、この一覧はいま開いているカレンダー自身が出しているものだからです。
見落としやすい点が1つあります。この設定はブラウザやパソコンではなく、Googleアカウントに紐づきます。仕事用と個人用でアカウントを分けている人は、両方で同じ操作をする必要があります。「昨日まで効いていたのに今日は効かない」という相談の多くは、故障ではなく、別のアカウントの画面を開いているだけです。
公式に載っているキーの一覧
Googleは3つの区分でキーを公開しています。区分の分かれ方そのものが、この機能の性格を表しています。
カレンダー内を移動する操作です。
| 操作 | キー |
|---|---|
| 次の日付範囲に移動する | J または N |
| カレンダーを更新する | r |
| 今日に移動する | t |
| カレンダーを追加する欄に移動する | + |
| 検索ボックスにカーソルを移す | / |
| 設定ページを開く | s |
| 特定の日付に移動する | g |
表示を切り替える操作です。
| ビュー | キー |
|---|---|
| 日 | 1 または d |
| 週 | 2 または W |
| 月 | 3 または M |
| カスタム | 4 または X |
| 予定リスト | 5 または a |
予定に手を入れる操作です。
| 操作 | キー |
|---|---|
| 新しい予定を作成する | c |
| 予定の詳細を表示する | e |
| 予定を削除する | Backspace または Delete |
| 元に戻す | z |
| 詳細ページで予定を保存する | ⌘ と S |
| 詳細ページからカレンダーに戻る | Esc |
このほかに、ToDoリストとKeepのサイドパネルを開くキーがあり、Macでは⌘とoptionと「.」、または⌘とoptionと「,」です。
数えてみると、移動が7個、表示の切り替えが5個、予定に触るものが6個です。全体の3分の2が「見る位置を変える」ためのキーで占められています。この偏りが、googleカレンダーのpc版ショートカットで何ができるかの答えそのものです。目的の週にたどり着くのは速くなります。その週の中身を組み替える作業は、ほとんど速くなりません。
効かないときに見る5か所
原因はだいたい次の5つのどれかに収まります。上から順に確認すると早く終わります。
1つ目は、カーソルが入力欄に入っている場合です。検索ボックス、予定のタイトル、ゲストの欄、説明欄では、押した文字はそのまま文字として入ります。Escでカレンダーの画面に戻れば、また効くようになります。日本語入力で変換している最中も同じで、キーは入力の仕組みが受け取っていて、ページには届いていません。
2つ目は、ブラウザが先にキーを取った場合です。分かりやすいのは「/」で、ブラウザによってはページ内検索が開きます。カレンダーの検索欄ではなくブラウザの機能が開いたなら、その勝負はブラウザが取っています。カレンダー側で何度押しても結果は変わりません。
3つ目は、対象の予定が選ばれていない場合です。eやDeleteは「いま選んでいる予定」に対して働きます。何も選んでいない状態では、動く相手がいないので何も起きません。壊れているのではなく、宛先が無いだけです。
4つ目は、別のサービスのキーと取り違えている場合です。Gmail、ドライブ、カレンダーはそれぞれ別のキー体系と別の有効化スイッチを持っています。Gmailで覚えたキーがカレンダーにあるとは限りません。
5つ目は、タブを開きっぱなしにしていた場合です。何日も開いたままのタブは、サーバー側の状態とずれることがあります。rが一覧に入っているのはこのためで、それでも直らないならブラウザごと再読み込みします。
一覧に無い操作こそ、時間を食っている
ショートカットの記事はキーの一覧で終わることが多いのですが、実務で効いてくるのは「載っていない操作」の側です。ここが上限を決めています。
予定を15分や30分だけ後ろにずらすキーはありません。マウスでドラッグするか、予定を開いて時刻を打ち直して保存します。1週間に会議が3件動けば、その3回とも手作業になります。週の組み替えで最も時間を取られる部分に、キーが割り当てられていません。
予定の所属カレンダーを変えるキーもありません。個人用、チーム共有、取引先用と分けている人は、そのたびに予定を開いて選び直します。
移動時間を確保するキーもありません。会議の前に移動の枠を取る操作は一覧に含まれていないため、画面上は空いているのに現実には間に合わない、という形の破綻がそのまま残ります。会議と会議の間をどう扱うかは移動時間に整理があります。
アカウントを切り替えるキーもありません。アカウントは別のセッションなので、切り替えはブラウザのタブやプロファイルの話になり、カレンダーの中の操作ではありません。
他のアプリを使っている最中にカレンダーを前面に出すキーもありません。macOSはアプリに対してグローバルなキーを割り当てる仕組みを持っていますが、ブラウザのタブはアプリではないため、その対象になりません。
アカウントが2つあると、キーは境界を越えない
Macで仕事をしている人の手元には、たいてい仕事用と個人用のGoogleアカウントがあります。案件ごとにもう1つ増えることもあります。ショートカットに関する不満の多くは、この状態から生まれています。
まず、有効にするスイッチがアカウントごとです。これは1回ずつオンにすれば片付きます。面倒なのはその先で、一覧にあるキーはどれもアカウントの境界を越えません。gを押して日付を入れても、動くのはいま開いているタブのアカウントのカレンダーだけです。同じ日を2つのアカウントで見比べるにはタブが2つ必要で、その行き来はブラウザの操作なので、結局マウスに手が戻ります。
回避の方法は一応あります。片方のアカウントが持つカレンダーを、もう片方に共有しておけば、1つの画面に両方の予定が並び、2を1回押すだけで週全体が見えます。ただし制限が2つあります。共有された予定に何ができるかは、共有したときに渡した権限の段階で決まるため、閲覧だけの権限なら、見た目は完成しているのに編集のキーだけが全部無反応になります。もう1つ、カレンダーのアドレスを使って追加した照会カレンダーは編集できません。表示は1つにまとまっても、編集はまとまらない、という中途半端な状態が残ります。1日の予定が2つのアカウントにきれいに割れている人ほど、この状態が長く続きます。
キーで縮む時間と、縮まない時間
同じ1日の作業を、どこまでキーだけで進められるかで並べると輪郭がはっきりします。
| 1週間で発生する操作 | ブラウザのGoogleカレンダー | パソコンの中で動くカレンダー |
|---|---|---|
| 今日や特定の日に飛ぶ | t と g | メニューのキー割り当て |
| 日・週・月の切り替え | 1から5 | ⌘と数字 |
| 予定を新規作成する | c で入力欄が開く | ⌘とN、または文章からの取り込み |
| 予定を30分ずらす | 該当するキーは無い | アプリによる |
| 移動時間を確保する | 該当するキーは無い | 対応するものがある |
| 他のアプリから呼び出す | タブなので不可 | グローバルなキーを設定できる |
| 回線が無い状態で使う | Chromeのみ | 手元にデータがある |
表を横に読むと、この検索語に対する現実的な答えが出ます。ブラウザの中のキーは「探す時間」を縮めます。「組み立てる時間」は縮めません。そして1週間で消えているのは、たいてい後者です。
縮まなかった側を、どこで埋めるか
キーを覚え終えたあとに残る作業を書き出すと、ほぼ全部が入力と編集です。会議のあとに次の予定を打ち込む、移動の枠を前後に足す、動いた予定に合わせて残りをずらす。この3つが残るなら、押すキーを増やしても解決しません。押したあとに何が起きるかを変える必要があります。
具体的には、予定の中身を1項目ずつ入力欄に打ち込む形をやめる方向です。話し言葉と音声で予定を入れられる形であれば、「木曜の14時から90分、打ち合わせ」と話した内容がそのまま1件の予定になり、キーを押した後の作業自体が消えます。入力の形がどう変わるかは予定の入れ方に、パソコンの中で動くカレンダーとブラウザで開くカレンダーの違いは他のカレンダーとの比較にまとめてあります。
判断の順序としては、まず設定を有効にして1週間、tとgと1から5とcだけで過ごしてみることです。そのうえで、マウスに手が戻った瞬間をメモします。戻った理由が「探すため」だったならキーを覚え足せば済みます。「直すため」「入れるため」だったなら、道具そのものを見直す段階に来ています。
よくある質問
Googleカレンダーでキーを押しても何も起きないのはなぜですか?
キーボードショートカットが初期状態で無効になっているためです。右上の設定アイコンから設定を開き、「キーボード ショートカットを有効にする」をオンにして、ページ下部の保存を押してください。この設定はGoogleアカウントごとなので、仕事用と個人用の両方で同じ操作が必要です。
パソコンにインストールできるGoogleカレンダーはありますか?
ありません。Googleのヘルプに、パソコンにカレンダーをダウンロードしてインストールすることはできない、と明記されています。代わりにオフラインでの利用が案内されていますが、オフラインアクセスに対応しているのはChromeだけで、Safari、Firefox、Edgeでは使えません。
使えるキーの最新の一覧はどこで見られますか?
ショートカットを有効にした状態で、カレンダーの画面で「?」を押してください。いま開いているカレンダー自身が一覧を表示するため、ヘルプページより確実です。ヘルプページに載っているのは主要なものだけで、更新が遅れる場合があります。
予定の時刻をキーだけでずらすことはできますか?
公式の一覧にそのキーはありません。マウスでドラッグするか、eで予定を開いて時刻を入力し直し、⌘とSで保存します。予定の所属カレンダーを変える操作にもキーは用意されていないため、こちらも予定を開く必要があります。