予定のインポートとエクスポートの代わりになるもの|用途別に手放してよい作業

予定のインポートとエクスポートは、カレンダーの設定画面で目に入りやすいため、困ったときに最初に手が伸びる機能です。 ところが、ファイルで予定を書き出して読み込む作業は、その時点の写しを作るだけで、あとから入る変更には追いつきません。 毎月の書き出しを続けている、共有のたびにファイルを送っている、という運用は、別の仕組みに置き換えると作業ごとなくせることがあります。 この記事では、インポートとエクスポートで済ませようとしている用途を5つに分け、それぞれの代わりになる方法と、ファイルでしかできないことを並べます。

インポートとエクスポートを取り巻く状況

カレンダーのサービスがアカウントのサーバに予定を置く形になってから、ファイルでやり取りする場面は減りました。 Appleのカレンダーのユーザガイドは、そのことをはっきり書いています。

iCloudやExchangeなどのカレンダーアカウントを使用している場合は、カレンダーはすべてプロバイダのサーバに自動的に保存されます。カレンダーは、プロバイダのサーバで定期的にアップデートされ、すべてのデバイスでアクセスできます。そのため、手動でカレンダーのバックアップや復元を行ったり、手動でカレンダーをほかのデバイスに転送したりしないで済みます。 出典: support.apple.com

一方で、書き出しの機能そのものには条件が付くようになっています。 Googleカレンダーの書き出しはパソコンのWeb版だけで行え、スマートフォンのアプリからはできません。 書き出すカレンダーには「変更および共有の管理」の権限が必要で、職場や学校のアカウントでは管理者が書き出しを制限していることがあります。 Microsoftのサポートの一覧を見ると、Outlook.comから書き出せる項目として挙がっているのは連絡先で、カレンダーは「共有または公開」の案内になっています。

つまり、ファイルでのやり取りは「いつでもどこでもできる基本機能」ではなく、条件がそろったときに使う道具になりつつあります。 提供終了や料金改定のような大きな変化はありませんが、代わりの手段を先に知っておくと、条件にぶつかって止まることがなくなります。

用途1:別のアカウントに予定を見せる

仕事用のGoogleアカウントの予定を個人のアカウントでも見たい、という理由で、書き出したファイルを読み込んでいる人は少なくありません。 この用途は、共有に置き換えられます。 Googleのヘルプも、読み込みの手順のなかで、読み込んだ予定は2つのアカウント間で同期されるわけではなく、同期したい場合はカレンダーを共有するよう案内しています。

Googleカレンダーの共有では、相手ができることを4段階から選びます。

  • 予定の表示(時間枠のみ、詳細は非表示)
  • 予定の詳細の表示
  • 予定の変更権限
  • 変更および共有の管理権限

自分の別アカウントに見せるだけなら「予定の詳細の表示」で足ります。 同僚に空き具合だけを伝えたいなら「時間枠のみ」を選べば、件名を見せずに済みます。 ファイルで渡した場合は、相手の手元に件名もメモもすべて入った写しが残り、あとで取り消す方法がありません。 共有なら、関係が変わった時点で権限を外せます。

手放してよいのは、「見せるためだけの定期的な書き出し」です。 共有に切り替えたら、それまで読み込んだ写しは、元の予定と二重に表示されないよう、写しを入れたカレンダーごと非表示にしてから整理します。

用途2:別のカレンダーアプリで同じ予定を開く

MacのカレンダーやOutlookでGoogleの予定を開くために、ファイルを読み込む必要もありません。 Googleのヘルプは、他のカレンダーアプリで予定を扱う方法を2つ挙げています。

  • アカウントを追加する:相手のアプリの設定で「Googleでログイン」を使うと、どちらのアプリからでも予定を追加、編集できる
  • 非公開URLを貼る:Web版の設定で対象のカレンダーの「カレンダーの統合」を開き、「iCal形式の非公開URL」を相手のアプリに貼ると、閲覧のみで表示できる

非公開URLは、URLを知っている人なら予定を読める鍵のようなものです。 Googleは誰とも共有しないよう注意しており、誤って渡してしまった場合は「リセット」で無効にして新しいURLを作ります。 職場や学校のアカウントでは、管理者の設定によってこのURLが表示されないこともあります。

Macでは、iCloud、Google、Exchangeなどのアカウントを追加すれば、それぞれのサーバにある予定が1つのカレンダーアプリに並びます。 予定の置き場所は動かさず、見る場所だけを1つにする形です。 このやり方なら、編集はどちらの画面から行っても元のアカウントに反映されるため、「どちらが最新か」を考える必要がなくなります。

用途3:チームや家族に予定表を配る

年間の行事予定や当番表を、毎回ファイルで配っている場合は、購読の仕組みに置き換えると配り直しがなくなります。 配る側は公開用のURLを作り、受け取る側はそのURLを自分のカレンダーに登録します。 配る側が予定を直すと、受け取った側の画面も更新されます。

更新までの時間は、受け取る側のサービスで違います。 Microsoftのサポートでは、Outlook.comで購読したカレンダーは、個人のアカウントでおよそ3時間ごと、職場や学校のアカウントのOutlook on the webではおよそ6時間ごとに更新されるとされ、24時間を超える場合もあると書かれています。 Macのカレンダーでは、照会するときに「自動更新」のポップアップで頻度を選べます。 GoogleカレンダーのWeb版では「URLで追加」から登録でき、ヘルプではこの方法で追加できるのは一般公開されているカレンダーに限られると説明されています。

購読で配れないのは、当日の朝に変わるような予定です。 数時間から1日の遅れが出うる以上、「今日の集合場所が変わった」という連絡はカレンダーに頼らず、チャットやメールで伝える前提にしておきます。 また、公開したURLは誰でも開けるため、配る専用のカレンダーを作り、個人の予定と混ぜないことが条件になります。

用途4:控えを取っておく

アカウントのカレンダーについては、Appleのガイドが書くとおり、定期的に手で書き出す必要は基本的にありません。 サービスの側にも戻す仕組みがあります。

  • iCloud:iCloud.comの「データの復旧」から、自動でアーカイブされた過去の状態にカレンダーを戻せる。共有していたカレンダーは共有の情報が消えるため、戻したあとに共有し直す
  • Googleカレンダー:削除した予定は、そのカレンダーのゴミ箱に30日間保存され、パソコンから復元できる

ただし、サーバの仕組みでは戻せない場面があり、ここはファイルの控えが残る理由になります。 Googleのヘルプには、定期的な予定を「これ以降のすべての予定」または「以降すべて」で削除すると、ゴミ箱に入らず復元できないと書かれています。 iCloudの復元も、1件ずつではなくカレンダーと予定をまとめて過去の版に戻す仕組みです。 Appleは復元の処理中に加えた変更は保存されないと注意しており、1件だけを取り戻したい場面には向きません。 長く続く定例会議の繰り返しを整理する前や、大量の予定を一括で消す前には、対象のカレンダーだけを書き出しておくのが安全です。

もう1つ、Macの「このMac内」にあるカレンダーはアカウントのサーバに置かれていないため、控えはファイルで取るしかありません。 退職などでアカウント自体がなくなる前に記録を残したい場合も、ファイルが必要です。 Googleのデータのダウンロードでは、予定の開始と終了、繰り返しの間隔、招待者と返答の状況、タイトル、説明、場所、作成日と最終更新日がiCalendar形式で含まれると説明されています。

用途5:まとめて登録する、アカウントを引っ越す

代わりが見つかりにくいのが、この用途です。 スプレッドシートで作った試験日程や出荷予定を一度に入れる作業は、CSVの読み込みがいちばん手数が少なく済みます。 Googleカレンダーの場合、ヘッダーは英語で書く必要があり、必須なのは「Subject」と「Start Date」の2つです。

使うサービスそのものを替える引っ越しも、ファイルでの移し替えが中心になります。 ここで押さえておきたいのは、ファイルに入らない情報があることです。 Googleのヘルプは、予定を読み込んでも予定のゲストと会議のデータは読み込まれないと明記しています。 Macのカレンダーでは、ファイルを読み込むと予定のカスタムカラーが消えます。 引っ越しでは、共有の相手と会議のリンクを新しいサービスで設定し直す手間を、最初から作業に含めておきます。

置き換えるときに順番を間違えやすい点

代わりの仕組みに切り替える作業そのものにも、手戻りが起きやすい順番があります。 よくあるのは、共有や購読を始めたあとに、以前読み込んだ写しを残したままにしておくケースです。 同じ会議が元のカレンダーと写しの両方に並び、片方だけが古い時刻のまま残ります。 予定を直した人は元のカレンダーを見ていて、別の人は写しを見ている、というずれが、そのまま遅刻や二重予約になります。

順番は次のように組むと、途中で二重に表示される期間を短くできます。

  • 写しを入れているカレンダーの名前を控え、どの用途のために読み込んだものかを書き出す
  • 共有、購読、アカウントの追加のうち、用途に合う仕組みを設定し、元の予定が表示されることを確かめる
  • 写しのカレンダーを非表示にして、数日間、予定の抜けがないかを見る
  • 抜けがなければ写しのカレンダーを整理する

写しを直接消さずに一度非表示にするのは、写しの側にだけ手で追記した予定が混ざっていることがあるからです。 読み込んだあとに写しへ予定を足していた場合、その予定は元のカレンダーには存在しません。 非表示の期間に「あの予定が見当たらない」と気づけば、元のカレンダーに入れ直してから整理できます。

手放してよい作業と、残す作業を並べる

5つの用途を並べると、次のように分けられます。

用途 手放してよい作業 代わりの仕組み ファイルが残る場面
別アカウントに見せる 定期的な書き出しと読み込み 共有(4段階の権限) 相手が共有を受けられないとき
別のアプリで開く 読み込みでの取り込み アカウント追加、非公開URL 管理者がURLを出さない設定のとき
予定表を配る ファイルの配り直し 公開URLの購読 受け取る人が購読を設定できないとき
控えを取る 毎月の手動の書き出し iCloudの復元、Googleのゴミ箱 繰り返しの一括削除の前、このMac内、アカウントを閉じる前
まとめて登録、引っ越し なし なし 常にファイルを使う

表の左側の作業は、続けても害はありませんが、写しが増えるほど「どれが最新か」を確かめる手間が増えます。 右端の場面だけにファイルを使うと決めれば、書き出しの機能を開く回数はかなり減ります。

独自データから見えること:ファイルをやめたあとに残る手間

インポートとエクスポートを共有や購読に置き換えると、予定の写しは減り、置き場所はアカウントごとにそろいます。 その代わりに増えるのが、複数のアカウントの予定を同時に読む場面です。 仕事のGoogle、家族のiCloud、配られた行事予定の購読が1つの画面に並ぶと、どれがどのカレンダーの予定かを見分けながら1日を組み立てることになります。

できることでは、複数のアカウントの予定を1つの画面で重ねて扱う機能をまとめています。 また、CSVでまとめて入れるほどではない数件の予定を、そのつど作成画面で入力する手間も残ります。 予定の入れ方では、日時や場所を含む一文から予定を作る流れを紹介しており、Mac用のカレンダーアプリで話し言葉と音声で予定を入れられる形にすると、ファイルを作るまでもない登録が軽くなります。

ファイルを使う作業を減らす目的は、写しを減らして、予定の正本を1か所に保つことです。 いま続けている書き出しが5つの用途のどれに当たるかを確かめ、代わりの仕組みがある作業から1つずつ置き換えていくと、移行のたびに増える確認作業を小さくできます。

よくある質問

Googleカレンダーの予定を別のGoogleアカウントでも見たいとき、書き出しと読み込みは必要ですか?

必要ありません。共有を使えば、元のカレンダーの変更がそのまま相手のアカウントにも表示されます。Googleのヘルプも、読み込んだ予定は2つのアカウント間で同期されないため、同期したい場合は共有するよう案内しています。自分の別アカウントに見せるだけなら「予定の詳細の表示」の権限で足ります。

iCloudやGoogleのカレンダーを毎月書き出して保存しておく必要はありますか?

アカウントのカレンダーは各社のサーバに保存されており、Appleのガイドも手動でのバックアップは必要ないと説明しています。ただし、Googleで繰り返しの予定を「これ以降のすべての予定」で削除するとゴミ箱に入らず復元できません。大量の予定を消す前や、アカウントを閉じる前だけは、対象のカレンダーを書き出しておくと安全です。

行事予定をファイルで配る代わりに購読してもらうと、変更はすぐに反映されますか?

すぐには反映されません。受け取る側のサービスが一定の間隔で取りに行く仕組みで、MicrosoftはOutlook.comの購読がおよそ3時間ごと、職場のアカウントでおよそ6時間ごとに更新され、24時間を超えることもあると案内しています。当日に変わる連絡は、チャットやメールで伝える前提にしておきます。

インポートでしかできない作業はありますか?

スプレッドシートで作った多数の予定をまとめて登録する作業と、使うサービスを替える引っ越しは、ファイルでの読み込みが中心になります。GoogleカレンダーのCSVは英語のヘッダーが必要で、SubjectとStart Dateが必須です。ゲストや会議のデータは読み込まれないため、引っ越し後に設定し直す作業も見込んでおきます。

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