Itsycalの代わりになるもの|手放してよい機能
Itsycalの代わりを探し始めるきっかけは、たいてい小さな不満です。メニューバーからアイコンが消えた、海外の相手との時差を一緒に見たい、会議の開始を見落とした。ところが代わりのアプリを入れてみると、Itsycalで当たり前に使っていた操作が見当たらず、結局もとに戻すことがあります。
この記事では、代わりを選ぶ前に、Itsycalが毎日何を引き受けているかを書き出し、手放しても困りにくい機能と、代わりが見つかりにくい機能に分けます。そのうえで候補を公式の情報で並べ、Itsycalに残るという判断も含めて整理します。
Itsycalをめぐるいまの状況
Itsycalは、Mowgliiという個人の開発者が配布しているメニューバー常駐のカレンダーです。料金は無料で、開発者のページには、アプリは無料であり、役に立ったなら寄付の方法を用意している、という説明があります。ソースコードはGitHubでMITライセンスとして公開されています。
代わりを検討する前に、提供が続いているかどうかを確かめておきます。2026年9月15日時点で、終了や新規の配布停止の告知はなく、配布元もMowgliiのままです。料金の改定もありません。公式サイトの更新履歴には0.15.12までが載っており、GitHubのリポジトリには2026年9月13日付で0.15.13の更新が記録されています。
最近の更新履歴を読むと、メニューバーそのものの事情に合わせた修正が続いています。macOS 26 Tahoeでの見た目への対応、メモリの使いすぎの修正、メニューバーの項目を隠すアプリと一緒に使ったときの表示位置の調整などです。
代わりを探す人の不満も、Itsycalの機能より、メニューバーという場所の窮屈さから来ていることが少なくありません。ノッチのあるMacでは、並べられる項目の数がさらに限られます。
When the menu bar fills up with menu items, macOS silently hides new items it can't find room for. 出典: mowglii.com
メニューバーがいっぱいになると、macOSは入りきらない項目を何の知らせもなく隠す、という説明です。アイコンが消えたことが代わりを探すきっかけなら、アプリを替えても同じことが起きる可能性があります。
Itsycalが引き受けている仕事を書き出す
代わりを選ぶ前に、Itsycalで実際に使っている機能に印を付けます。公式サイトとヘルプに載っている主な機能は次のとおりです。
- Macのカレンダーに登録してあるカレンダーの予定を、月表示と一覧で見る
- 予定を新しく作る
- 予定に含まれるオンライン会議に参加する(⌘Jで一覧の最初の会議を開く)
- ISO 8601に沿った週番号を表示する
- 毎正時に短い音を鳴らす
- メニューバーの時計を置き換え、日付や時刻の表示形式を自由に決める
- 一度に2か月分まで表示する、文字の大きさを3段階から選ぶ
- キーボードで日付を移動する(vimの操作や、回数を付けた移動、⇧⌘Tで日付へ飛ぶ)
- itsycal://date/ で始まるURLで、指定した日付を開く
このうち毎日使っているものが3つ以下なら、代わりの選択肢は広くなります。逆に、キーボード操作や時計の置き換えまで使っているなら、候補はかなり絞られます。
書き出すときは「あると便利」と「ないと困る」を分けます。先週1回も使わなかった機能は、ほとんどの場合「あると便利」の側に入ります。
手放しても困りにくい機能
多くの人にとって、代わりのアプリに移っても支障が出にくいのは次の機能です。
月表示と直近の予定を見ることは、メニューバーに置くカレンダーならほぼどれでもできます。macOSの通知センターにもカレンダーのウィジェットがあり、メニューバーの日時をクリックすれば次の予定を確かめられます。見るだけが目的なら、アプリを増やさずに済む場合もあります。
予定を作る機能は、使い方によって重みが変わります。招待する相手や繰り返しの細かいルールを伴う予定は、もともとMacのカレンダー本体で作っている人が多いはずです。その場合、メニューバーから作れなくなっても、実際に失う手順は少なくなります。
毎正時の音、今日から何日離れているかを表示する#キー、URLで日付を開く機能は、知っている人には便利ですが、使っていないなら判断材料から外して構いません。なお毎正時の音はDatoにも「Hourly chime」として用意されています。
オンライン会議への参加も、代わりが多い機能です。MeetingBarのような会議専用のアプリがあり、Datoにも次の会議に参加するためのキーボードショートカットが用意されています。
代わりが見つかりにくい機能
一方で、次の機能は代わりのアプリを入れても同じ形では手に入りにくい部分です。
1つ目はキーボードでの日付の移動です。Itsycalには、HとLで前後の日、KとJで前後の週に動く操作があり、数字を先に打てば「21日先へ」のように回数を付けて動けます。手をマウスに移さずに日付を確かめる習慣があるなら、代わりを試すときに最初に確かめる点です。
2つ目は、時計そのものを置き換える使い方です。Itsycalではメニューバーの表示に日付や曜日や任意の文字を組み合わせられます。Datoにも日付と時刻の表示形式を決める設定がありますが、macOSの時計を消してItsycalの表示に一本化している場合は、移行先でも同じ並びを作れるかを先に試します。
3つ目は、無料でソースコードが公開されていることです。メニューバーの常駐アプリは1日中動き、予定の中身を読みます。作りを確かめられる無料のアプリという条件を外せない場合、候補はMeetingBarのように同じくオープンソースのものに限られます。
代わりの候補を事実で並べる
以下は2026年9月15日時点で、各提供元の公式ページとApp Storeで確認できた内容です。料金は変わることがあるので、支払う前に提供元のページで確かめてください。
| 候補 | 料金 | 予定の読み方 | 主な役割 |
|---|---|---|---|
| macOS標準の時計と通知センター | 無料 | Macのカレンダー | 日付の表示と次の予定の確認 |
| Dato | App Store(日本)で3,000円の買い切り | Macのカレンダー | 月表示、世界時計、全画面の会議通知 |
| MeetingBar | 無料(App Storeではアプリ内課金あり) | Macのカレンダー、またはGoogleカレンダーに直接接続 | 次の会議の表示と参加 |
| Fantastical | 無料版と有料プランあり | アカウントを直接追加 | カレンダー本体に付くメニューバー表示 |
| Macのカレンダー本体 | 無料 | アカウント | 予定の作成と編集のすべて |
Datoは一度の購入で、以後の更新も無料と説明されています。公式サイトから試用版を入手でき、制限は12時間ごとに購入を促す表示が出ることと、自動更新がないことです。公式サイトの試用版はmacOS 26以降が必要です。予定の一覧に加えて、複数の都市の時刻、リマインダーの表示、同じ予定が複数のカレンダーにあるときの重複の除去を備えています。
MeetingBarは、公式サイトで完全無料とオープンソースをうたう、会議に特化したアプリです。次の会議名をメニューバーに出し、ワンクリックで参加できます。GitHubの説明ではmacOS 12以降が必要で、予定はMacのカレンダーから読むか、Googleカレンダーに直接つなぐかを選べます。月表示で先の日付を見る使い方は主な役割ではありません。
Fantasticalは、提供元のFlexibitsが無料版と、個人・家族・チーム向けの有料プランを用意しており、有料プランには14日間の試用があります。メニューバーの表示は、カレンダー本体の一部として付いてくる形です。
Itsycalに残るという判断もある
代わりを探したきっかけが「アイコンが消えた」なら、アプリを替える前に試せることがあります。ヘルプは、ほかのメニューバー項目を減らして場所を空け、Itsycalが表示されたら⌘キーを押しながら右側へドラッグしておくよう案内しています。右寄りに置くほど、項目が増えたときに隠されにくくなります。macOS 26以降では、システム設定の「メニューバー」でItsycalの表示が許可されているかも確かめます。
「委任されたカレンダーが出ない」という理由の場合も、Googleカレンダーであれば回避の方法が示されています。Googleのカレンダーの同期設定の画面で表示したい委任カレンダーを選んで保存すると、Macのカレンダーに通常のカレンダーとして現れ、Itsycalにも表示されるという手順です。
時差の表示や全画面の会議通知のように、Itsycalが持っていない役割が必要になった場合は、Itsycalを残したまま、その役割だけを別のアプリに任せる形もあります。ただしメニューバーの場所には限りがあるので、足すアプリは1つにとどめ、足した分だけほかの項目を減らすのが現実的です。
代わりを試すときの段取り
代わりのアプリを試す期間は、平日を5日含む1週間を目安にします。メニューバーのカレンダーは、週の始めに先の予定を確かめる、会議の直前に開く、金曜に翌週を見る、というように曜日で使い方が変わるためです。
試す間は、Itsycalを削除せずに残しておきます。ItsycalとDatoは、Macのカレンダーに設定されたアカウントの予定を読む作りです。MeetingBarもMacのカレンダーを予定の読み元に選べます。読み元を同じにしておけば、2つを同時に動かしても、見比べる予定そのものは同じになります。ただしメニューバーの場所を2つ分使うので、試す間だけほかの項目を減らしておきます。
設定の引き継ぎも、試す前に控えておきます。Itsycalの設定の「一般」タブにある、開くためのキーボードショートカットと、表示するカレンダーの選択は、代わりのアプリで同じにしておかないと、使い勝手の比較になりません。メニューバーの表示形式を自分で組んでいる場合は、その文字列を書き写しておきます。新しい予定の入れ先は、ItsycalではMacのカレンダーの設定にある既定のカレンダーに従うので、代わりのアプリで最初に1件作り、どのカレンダーに入るかを確かめます。
見る点は、最初に書き出した「ないと困る」機能だけに絞ります。
- その機能が、代わりのアプリで同じ手数で使えるか
- キーボードで開く設定を、Itsycalで使っていた組み合わせと同じにできるか
- メニューバーの表示が、時計と並べたときに読みやすい幅に収まるか
- 1週間のうち、結局Itsycalを開いた回数は何回か
最後の点は判断の決め手になります。代わりのアプリを入れたのにItsycalを何度も開いていたなら、手放せない機能がまだ残っています。1回も開かなかったなら、Itsycalを終了し、ログイン時に起動する項目からも外して、さらに1週間様子を見ます。有料の候補で試用に期限がある場合は、その期限の中にこの2週間を収めておくと、支払ってから戻る事態を避けられます。
独自データから見えること:メニューバーの外に残る仕事
候補を並べると、メニューバーのカレンダーはどれも「見る」ことと「次の会議に入る」ことが中心で、予定を組み立てる作業はカレンダー本体に残ることが分かります。代わりを探している理由が、実は「予定を入れるたびに本体を開くのが面倒」という点にあるなら、メニューバーのアプリを替えても解決しません。
その場合に見直すのは、予定を入れる手順そのものです。日時や場所を画面の欄に1つずつ入れる代わりに、文章や声のまま予定にできるMac用のカレンダーアプリもあります。入力の流れは予定の入れ方にまとまっています。予定と予定のあいだの移動を見落としている場合は、移動時間の扱いも確認できます。
カレンダー本体を含めて選択肢を広げるなら、各アプリの違いを事実で並べた他のカレンダーとの比較が判断の材料になります。メニューバーに何を残し、何を本体に任せるかを先に決めておくと、代わりのアプリを入れては戻す繰り返しを減らせます。
よくある質問
Itsycalは有料になったり、配布が終わったりしていますか?
2026年9月15日時点で、Itsycalは無料のままで、終了や配布停止の告知はありません。配布元も開発者のMowgliiのままです。公式サイトの更新履歴には0.15.12までが載っており、GitHubのリポジトリでは2026年9月13日付で0.15.13の更新が記録されています。寄付の方法は用意されていますが、支払いは任意です。
お金をかけずにItsycalの代わりにできるものはありますか?
見るだけなら、macOSの時計の日付表示と、通知センターのカレンダーのウィジェットで足りる場合があります。会議への参加が中心なら、MeetingBarが無料で使えます。キーボードでの日付の移動や、時計の表示形式を細かく決める使い方まで含めると、同じ形で置き換えられる無料の候補は限られます。
DatoとItsycalはどちらもMacのカレンダーの予定を使いますか?
どちらも、Macのカレンダーに設定してあるアカウントの予定を読む作りです。Datoは公式の説明でiCloud、Google、Outlookなど、標準のカレンダーが対応するサービスすべてに対応するとしています。アカウントを別に追加する必要がない点は共通で、違いは世界時計や全画面の会議通知など、表示と通知の機能にあります。
Itsycalのアイコンがメニューバーから消えたときはどうすればよいですか?
公式のヘルプは、メニューバーの項目が多いとmacOSが入りきらない項目を知らせなく隠すと説明しています。ほかの項目を減らして表示させ、⌘キーを押しながらItsycalを右側へドラッグしておくと隠されにくくなります。macOS 26以降では、システム設定の「メニューバー」で表示が許可されているかも確かめます。