Itsycalの選び方|Macの版・予定の保存先・使い方で決める
Itsycalを選ぶときに決めることは3つです。1つ目は、使っているmacOSの版に合った配布物を選ぶこと。2つ目は、予定がMacの「カレンダー」アプリに集まっているかを確かめること。Itsycalは「カレンダー」アプリに登録されたカレンダーを表示する仕組みなので、Googleカレンダーを使う人は先にそちらへアカウントを追加しておく必要があります。3つ目は、メニューバーで「日付と予定を見る」だけで足りるのか、「予定の調整までしたい」のかを決めることです。前者ならItsycalがよく合い、後者なら別の道具を組み合わせることになります。
この記事では、開発元のMowgliiの公式サイトに載っているヘルプと更新履歴をもとに、この3つの判断のしかたを順に説明します。記載の内容は、2026年10月18日に公式サイトで確かめたものです。
Itsycalとはどんなアプリか
Itsycalは、Macのメニューバーに小さなカレンダーを常駐させるアプリです。メニューバーの日付やアイコンを押すと月のカレンダーと予定の一覧が開き、閉じればまたメニューバーに収まります。公式サイトでは、Macの「カレンダー」アプリとの連携、予定の作成と表示、オンライン会議への参加、ISO形式の週番号、毎正時の控えめな通知音、システムの時計表示の置き換え、ダークモード、最大2か月の同時表示、複数の文字サイズなどが機能として挙がっています。
料金はかかりません。開発元の紹介ページには、アプリは無料で、役に立った人が寄付できる窓口を用意している旨が書かれています。
このアプリが選ばれる理由は、標準の「カレンダー」アプリを開く手間がなくなることです。実際に使っている人のブログにも、その動機がそのまま書かれています。
そろそろ来年のカレンダー選びが始まる時期になりました。Macのカレンダーは標準のカレンダー.appを使っています。Mac iPhoneとiPadのすべてのデバイスで同期してくれるので便利です。ただMacはカレンダーを確認するのにわざわざアプリを開く必要があってこれが結構面倒なのです。そこでItsycalという簡易カレンダーをメニューバーに置いてみることにしました。 出典: tomi-kun.hatenablog.com
逆にいえば、Itsycalは「カレンダーアプリの代わり」ではなく、「カレンダーアプリの窓口をメニューバーに出すもの」です。この位置づけを踏まえると、次の条件の見方が分かりやすくなります。
条件1:macOSの版に合った配布物を選ぶ
Itsycalは、macOSの版ごとに配布物が分かれています。公式サイトの更新履歴のページに並んでいる組み合わせは、次のとおりです。
| 使っているmacOS | 選ぶ配布物 |
|---|---|
| macOS 27以降 | Itsycal(最新版) |
| macOS 11以降 | Itsycal 0.15.15 |
| macOS 10.14以降 | Itsycal 0.14.1 |
| macOS 10.12以降 | Itsycal 0.11.17 |
| macOS 10.10以降 | Itsycal 0.10.16 |
| macOS 10.8以降 | Itsycal 0.8.15 |
最新版の系列は0.27台で、更新履歴には「macOS 27 Golden Gateになじむ見た目への更新」「ダークモードでmacOSのシステムカラーを使う」「設定パネルの再構成」「会議リンクのある予定の右クリックメニューに会議リンクのコピーを追加」などが並んでいます。macOS 11からmacOS 26までのMacでは、0.15.15を選びます。0.15系の更新履歴には、macOS 26 Tahoeでのメモリリークの修正や、メニューバーの文字が薄くなる問題の修正が含まれています。
Apple シリコンのMacでも問題はありません。公式のヘルプには、0.13.0からIntelとApple シリコンの両方でそのまま動くユニバーサルアプリになったと書かれています。
条件2:予定がMacの「カレンダー」アプリに集まっているか
Itsycalが表示できるのは、Macの「カレンダー」アプリに登録したカレンダーだけです。公式のヘルプでは、設定パネルの「General」タブに「カレンダー」アプリのカレンダーが一覧で出て、Itsycalで表示したいものにチェックを入れる、と説明されています。Itsycal自身にGoogleアカウントを追加する画面はありません。
そのため、Googleカレンダーを使っている人は、先にMacの「カレンダー」アプリにGoogleアカウントを追加します。Googleの公式ヘルプ「Google カレンダーの予定を Apple カレンダーに追加する」の手順では、「カレンダー」アプリの設定で「アカウント」タブを開き、追加アイコンから「Google」を選んで進みます。
ここで注意したいのは、他の人から共有されたGoogleカレンダーの扱いです。Appleのカレンダーに自動で同期されるのは、Googleカレンダーの「マイカレンダー」にあるカレンダーと誕生日だけです。Itsycalのヘルプにも、委任されたカレンダーは直接は表示できないが、Googleカレンダーの同期設定で表示したいカレンダーを選んで保存すれば、通常のカレンダーとして「カレンダー」アプリに出て、Itsycalにも出る、という回避策が載っています。
新しい予定の保存先も、「カレンダー」アプリの設定に従います。Itsycalは「カレンダー」アプリの一般設定で選んだデフォルトのカレンダーを使い、0.15.11以降は、新しい予定の長さも「カレンダー」アプリの既定に合わせるようになりました。Googleに入れたい予定がiCloudに入ってしまうときは、Itsycalではなく「カレンダー」アプリのデフォルトを見直します。
条件3:メニューバーで何をしたいか
Itsycalの得意なことは、日付と予定をすばやく見ることと、キーボードで動き回ることです。公式のヘルプにある主な操作は次のとおりです。
- 設定した組み合わせのキーでItsycalを開く(「General」タブの「Keyboard shortcut」で割り当てる)
- 矢印キーやH、J、K、Lで日、週、月、年を移動し、数字を先に打つとその回数だけ移動する
- スペースキーで今日に戻り、⇧⌘Tで日付を指定して移動する
- ⌘Nで新しい予定を作り、⌘Jで予定一覧にある進行中のオンライン会議に参加する
- Pキーでピン留めし、ほかのアプリに切り替えても開いたままにする
メニューバーの表示も細かく変えられます。日付だけでなく時刻や任意の文字も出せ、システムの時計の代わりに使えます。表示の形式は日時のパターンで指定し、たとえば標準の時計と同じ表示にするには次のように設定する、という例が利用者のブログに載っています。
6.Appearanceでメニューバーの表示とカレンダーの表示設定ができます※Menu Bar項目の空欄で表示のカスタマイズが可能になり元のシステムの日付と時刻の表示と同じようにするには「M月d日(E)HH:mm」と設定する 出典: tomi-kun.hatenablog.com
一方で、公式サイトの機能一覧に挙がっていないこともあります。予定のドラッグでの移動、空き時間の計算、移動時間の確保、日程調整のページの発行といった、予定を組み立てる作業です。予定を見て、たまに1件追加する、という使い方なら過不足がありません。会議と移動の調整に毎日時間を取られているなら、Itsycalだけでは解決しません。
条件4:暦と週番号の数え方
日本で使う場合に確かめておきたいのが暦です。公式のヘルプには、Itsycalは今のところグレゴリオ暦にだけ対応していて、仏暦など別の暦を使っていると日付がずれる、と書かれています。macOSの暦を西暦以外にしている人は注意が必要です。
週番号は、ISO 8601の数え方で左側に表示されます。Macの「カレンダー」アプリなど、別のアプリと週番号が1つずれて見えることがありますが、これはItsycalのほうが国際規格に沿っているためです。メニューバーに出す週番号はmacOSが描くので、合わせたい場合はシステム設定の「言語と地域」で暦をISO 8601に変えるよう、ヘルプで案内されています。週の始まりの曜日は、「General」タブの「First day of week」で変えられます。
入れたのにメニューバーに出ないとき
Itsycalを入れたのにメニューバーに見当たらない、という相談は公式のヘルプでも最初に取り上げられています。原因は2つです。
1つは、画面上部にノッチのあるMacです。メニューバーの項目が多いと、macOSは入りきらない項目を何の表示もなく隠します。ほかの項目を減らして場所を空け、Itsycalが出たら、⌘キーを押しながらドラッグして右寄りに移しておくと、次から隠れにくくなります。
もう1つは、macOS 26 Tahoe以降のシステム設定です。システム設定の「メニューバー」の項目で、Itsycalの表示が許可されているかを確かめます。メニューバーの項目を隠すアプリを使っている場合は、0.15.15以降、キーボードの組み合わせで呼び出すと画面の右上に開くようになっています。
入れ方そのものは、公式サイトから配布物をダウンロードし、展開して「アプリケーション」フォルダに移して起動するだけです。最初に開いたら、「General」タブでログイン時に起動する設定と、表示するカレンダーのチェックを済ませておくと、翌日から迷わずに使えます。
Itsycalで足りない場合の考え方
ここまでの条件で、Itsycalが合う人は、予定が「カレンダー」アプリに集まっていて、メニューバーでは見ることが中心の人です。合わない人は、次のどれかに当てはまります。
- Googleアカウントが複数あり、「カレンダー」アプリを経由した表示が不安定になりやすい
- 予定を入れる回数が多く、日時や場所の入力に時間がかかっている
- 移動を含む予定が多く、出発の時刻を毎回自分で計算している
こうした場合の選択肢は、メニューバーの小さな窓口を残したまま、予定を組み立てる側の道具を変えることです。Mac用のカレンダーアプリの中には、メニューバーに次の予定やその日のまとめ、小さな月のカレンダーを常駐させながら、Googleアカウントに直接つないで予定を読み書きするものがあります。できることでは、「明日15時 商談 @渋谷 zoom」のような一文を話し言葉で入力して予定にできる機能や、場所のある予定に移動時間を自動で確保する機能が紹介されています。入力の書き方は予定の入れ方、移動の扱いは移動時間で確かめられます。
価格の考え方も比べる材料になります。Itsycalは無料です。上に挙げた種類のアプリは、予定の作成、変更、削除やメニューバー常駐までは無料版で使え、書類からの取り込みなど一部の機能だけが有料という形を取るものもあります。条件と料金は購入のページに並んでいます。ほかのカレンダーとの違いは他のカレンダーとの比較にまとまっています。
選び方の結論は、使い方で分けることです。見るだけならItsycal、予定を組み立てる時間を減らしたいなら、予定を入れる側の道具を見直す。両方を組み合わせる人もいます。
よくある質問
ItsycalにGoogleカレンダーを直接追加できますか?
できません。Itsycalが表示するのは、Macの「カレンダー」アプリに登録したカレンダーです。先に「カレンダー」アプリの設定の「アカウント」タブでGoogleアカウントを追加し、そのあとItsycalの設定パネルの「General」タブで、表示したいカレンダーにチェックを入れます。
古いMacでもItsycalは使えますか?
使えます。公式サイトでは、macOSの版ごとに配布物が分かれています。macOS 11以降なら0.15.15、10.14以降なら0.14.1、10.12以降なら0.11.17、10.10以降なら0.10.16、10.8以降なら0.8.15を選びます。macOS 27以降のMacでは最新版を使います。
Itsycalは有料ですか?
無料です。開発元のMowgliiの紹介ページには、アプリは無料で、役に立った人のために寄付の窓口を用意していると書かれています。配布物は公式サイトの各版のリンクからダウンロードできます。
Itsycalの週番号がMacの「カレンダー」アプリと1つずれるのはなぜですか?
Itsycalは、カレンダーの左側に出す週番号をISO 8601の規格どおりに数えているためです。メニューバーに出す週番号はmacOSが描くので、合わせたい場合はシステム設定の「言語と地域」で暦をISO 8601に変えるよう、公式のヘルプで案内されています。