Itsycalの不具合で確かめる順番|予定が出ない・メニューバーに出ない・落ちる
Itsycalでメニューバーの日付が消えた、Googleの予定だけが出てこない、会議の時刻を直そうとしても直せない。 こうした不具合に当たると、まずアプリを入れ直したくなります。 ただ、Itsycalは予定を自分で抱えていない小さなアプリなので、入れ直しで変わる部分はごく一部です。 この記事では症状を5つに分け、開発元のMowgliiが公開しているヘルプと更新履歴に沿って、手間の少ない確認から順に並べます。 仕事とプライベート、GoogleとOutlookとiCloudに予定が分かれている人が、どこで詰まっているのかを見極め、次に何を変えるか決められるようにするのが狙いです。
Itsycalは予定を持たない。不具合の多くはその手前で起きている
最初に押さえておきたいのは、Itsycalの作りです。 Itsycalは、Macの標準のカレンダーアプリに設定されているカレンダーを読み取って、メニューバーの小さな月表示と予定の一覧に出すアプリです。 GoogleやMicrosoftのアカウントを、Itsycalの中で直接つなぐ画面はありません。 公式ヘルプも、予定の表示についてこう書いています。
Itsycal can display events from calendars you have set up in the Mac Calendar app. 出典: mowglii.com
つまり、予定がItsycalに届くまでには、次の4つの段があります。
| 段 | 置き場所 | ここが止まると起きること |
|---|---|---|
| アカウント | システム設定のインターネットアカウント、またはカレンダーアプリ | どのアプリにも予定が出ない |
| アクセス許可 | システム設定のプライバシーとセキュリティ内のカレンダー | Itsycalにだけ予定が出ない |
| 表示するカレンダーの選択 | Itsycalの設定の一般タブ | 特定のカレンダーだけ出ない |
| 表示の設定 | Itsycalの設定の一般タブと外観タブ | 一覧が空、日付や週番号の見え方が違う |
不具合を切り分けるときは、上の段から順に見ていくのが近道です。 カレンダーアプリに予定が出ていないなら、Itsycal側をいくら触っても変わりません。 逆にカレンダーアプリには出ていてItsycalにだけ出ないなら、原因はアクセス許可か選択のどちらかに絞れます。 入れ直しで直るのは、原因がアプリ本体の側にある場合だけです。
2026年9月15日時点で、公式サイトで配布されている最新版は2026年4月5日公開の0.15.12です。 公開リポジトリには2026年9月13日付けで0.15.13のタグも付いており、画面が選ばれていないディスプレイでメニューバーの文字が薄くなる問題への修正が入っています。 公式サイトとリポジトリを確認した範囲では、提供の終了、配布の停止、開発者の変更、有料化の告知はありません。
症状1:メニューバーにItsycalが出てこない
起動しているはずなのにメニューバーに見当たらない場合、アプリが落ちているとは限りません。 公式ヘルプが最初に挙げている原因は、メニューバーの空きが足りないことです。
ノッチのあるMacでは、メニューバーの中央を画面の切り欠きが占めます。 アイコンが増えて場所が足りなくなると、macOSは後から来た項目を何の知らせもなく隠します。 Itsycalが見当たらないときは、まず他の常駐アイコンをいくつか終了させて、表示されるかを見ます。 表示されたら、commandキーを押しながらItsycalをドラッグして右寄りに移しておくと、次に混み合ったときに隠されにくくなります。
macOS 26 Tahoe以降では、もう1つ確認する場所が増えました。 システム設定のメニューバーの項目で、Itsycalの表示が許可されているかどうかです。 ここでオフになっていると、空きがあっても出てきません。
メニューバーを整理するアプリを併用している場合も、位置がずれることがあります。 更新履歴では、0.15.11でこうしたアプリを使っているときの位置を改善したものの、macOSのメニューバー自動非表示と組み合わせると挙動が崩れたため、0.15.12でその変更を元に戻したと書かれています。 併用しているなら、まず整理アプリの管理対象からItsycalを外して表示を確かめると、どちらが原因か分かります。
症状2:予定が出ない、一部のカレンダーだけ出ない
予定の不具合は、先ほどの4つの段を上から順に確かめます。
カレンダーアプリに予定があるか
最初に標準のカレンダーアプリを開き、見当たらない予定がそこに出ているかを見ます。 出ていなければ、アカウントの追加か同期の問題で、Itsycalの外で直すことになります。 GoogleやMicrosoft Exchangeのアカウントは、システム設定のインターネットアカウントから追加します。
Googleで他の人から共有されたカレンダーや、委任されたカレンダーは、アカウントを追加しただけでは出てこないことがあります。 公式ヘルプは、Googleカレンダーの同期設定の画面で表示したいカレンダーを選んで保存すると、カレンダーアプリに通常のカレンダーとして現れ、その結果Itsycalにも出ると案内しています。 Google以外の委任カレンダーは、Itsycalでは直接表示できないとされています。
アクセス許可があるか
カレンダーアプリには出ているのにItsycalにだけ出ない場合、システム設定のプライバシーとセキュリティ内にあるカレンダーの項目を開きます。 macOS 14以降は、ここで予定の読み取りと書き込みを含む完全なアクセスが必要です。 一覧にItsycalがない、あるいはオフになっていると、予定は表示されません。
Itsycalでカレンダーを選んでいるか
許可が通っていても、表示するカレンダーを選んでいなければ一覧は空のままです。 カレンダーの下にある歯車のアイコンから設定を開き、一般タブに並ぶカレンダーのうち、表示したいものにチェックを入れます。 同じ一般タブには、一覧に何日分の予定を出すかを選ぶ項目があり、予定なし、1日から7日、14日、31日から選べます。 ここが予定なしになっていると、カレンダー自体は正しくても一覧には何も出ません。
アカウントを追加した直後や、他の端末で予定を足した直後に反映が遅いと感じたら、option、command、Rの同時押しで予定を読み直せます。
症状3:予定を直せない、新しい予定が意図しないカレンダーに入る
この症状の多くは不具合ではなく、Itsycalの守備範囲によるものです。 公開リポジトリの説明文には、予定の作成と削除はできるが、編集はできないと明記されています。 一覧の予定をダブルクリックすると、標準のカレンダーアプリの日表示でその予定が開くので、時刻や参加者の変更はそちらで行います。
削除のボタンが出てこない予定もあります。 祝日のカレンダーや購読しているカレンダーのように、書き込みが許されていないカレンダーの予定では、Itsycalは削除の操作を出しません。 共有されたGoogleカレンダーでも、自分に閲覧の権限しかなければ同じです。
新しい予定の作成画面にはカレンダーを選ぶ項目がありますが、最初に選ばれているのはカレンダーアプリの一般設定で決めた既定のカレンダーです。 Itsycal独自の既定はないので、仕事の予定がいつもプライベートのカレンダーに入ってしまう場合は、カレンダーアプリ側の既定を切り替えます。 予定の長さも、0.15.11からはカレンダーアプリの既定の長さに合わせる作りになりました。 それ以前の版では、新しい予定は常に1時間で作られていたので、古い版を使い続けているなら更新で解消します。
カレンダーのボタンからFantasticalやBusyCalを開きたいのに標準のカレンダーアプリが開く、という相談もあります。 公式ヘルプでは、カレンダーアプリの一般設定で既定のカレンダーアプリをそちらに切り替える方法を案内したうえで、macOS側の不具合でうまく切り替わらない場合があると注意書きを添えています。
症状4:日付や週番号がほかのアプリとずれる
日付そのものがおかしい場合、最初に疑うのは暦の設定です。 Itsycalはグレゴリオ暦にだけ対応しており、仏暦など別の暦を選んでいると日付が正しく出ないと、公式ヘルプに書かれています。 システム設定の言語と地域で、暦がグレゴリオ暦になっているかを確認します。
週番号のずれは、仕組みの違いから来ています。 Itsycalはカレンダーの左側に出す週番号を、国際規格のISO 8601に沿って数えます。 一方で、メニューバーに出す文字はmacOSが描いており、既定ではISO 8601に従っていません。 そのため、Itsycalの週番号とメニューバーの週番号、あるいは標準のカレンダーアプリの週番号が食い違うことがあります。 公式ヘルプは、言語と地域で暦をISO 8601に切り替えれば揃うと案内しています。 なお0.13.2からは、メニューバーに日時の書式を設定している場合、この切り替えをしなくてもISO 8601で整形されるようになっています。
週の始まりの曜日が期待と違う場合は、一般タブの週の最初の曜日で変えられます。 既定では地域の慣習に従い、米国なら日曜、多くの地域では月曜になります。
症状5:起動しない、落ちる、動きが重い
落ちる症状でよく知られているのは、macOS Ventura への更新直後に起きたものです。 開発元は2022年11月5日のブログで、クラッシュ報告の多くがiCloud以外のカレンダーを使っている人から来ていると書き、次の手順を案内しました。
- システム設定のインターネットアカウントを開く
- iCloud以外のアカウントをいったん削除し、追加し直す
- Itsycalを起動し直す
原因は、Itsycalが起動時にカレンダーのアカウント名を問い合わせる際、macOSがiCloud以外のアカウントについて名前を返さない場合があったためと説明されています。 Ventura以降のmacOSで同様に落ちる場合も、まずこの手順から試す価値があります。 アカウントを削除すると、そのアカウントの予定がMacから一時的に消えて、追加し直した後に再びダウンロードされます。
動きが重い、ファンが回る場合は、版を確認します。 更新履歴によると、0.15.7にはCPUを過剰に使う不具合があり、0.15.8で修正されました。 macOS 26 Tahoeでのメモリリークは0.15.9で直っています。 該当する版を使っているなら、設定から更新を確認するだけで解消する見込みがあります。
古いMacを使っている場合は、対応するmacOSの版に注意します。 最新版はmacOS 11以降が対象で、macOS 10.14以降向けには0.14.1、10.12以降向けには0.11.17と、古い版が公式の更新履歴ページから配布されています。 開発者に不具合を報告するときは、Itsycalの版、macOSの版、Macの機種とIntelかAppleシリコンかを添えるよう、公式サイトで求められています。
確かめる順番を1枚にする
ここまでの内容を、症状ごとの確認順にまとめます。 左の列から順に見ていくと、手間の少ない確認から片付けられます。
| 症状 | 最初に見る | 次に見る | 直す場所 |
|---|---|---|---|
| メニューバーに出ない | 他のアイコンを減らす | macOS 26のメニューバー設定 | macOS |
| 予定が1件も出ない | カレンダーアプリに予定があるか | カレンダーへのアクセス許可 | macOS |
| 一部のカレンダーだけ出ない | 一般タブのチェック | Googleの同期設定 | Itsycal、Google |
| 予定を直せない | 編集は非対応と理解する | カレンダーの書き込み権限 | カレンダーアプリ |
| 週番号がずれる | 暦の設定 | ISO 8601への切り替え | macOS |
| 落ちる、重い | 版の確認と更新 | アカウントの削除と再追加 | Itsycal、macOS |
表を見ると分かるとおり、直す場所がItsycalの中にあるのは一部です。 予定が出ない、落ちるといった目立つ症状ほど、macOSのアカウントや許可の側で解決します。
切り分けたあとに決めること
確認を終えても不満が残る場合、それは不具合ではなく、道具の役割が合っていないことを示しています。 Itsycalは、カレンダーアプリに集めた予定をメニューバーからすばやく見るための道具です。 いくつものカレンダーに分かれた予定を束ねる役目は、その手前のカレンダーアプリとmacOSのアカウントが担っています。
たとえば、次のような詰まり方は設定では解消しません。
- 予定の時刻を動かすたびにカレンダーアプリを開き直している
- 移動を挟む会議が続く日に、移動にかかる時間を一覧から読み取れない
- 会議の依頼を受けてから予定を入れるまでに、項目を1つずつ選ぶ手間がかかっている
この場合に見直すのは、予定を見る場所ではなく、予定を入れて組み直す場所です。 Mac用のカレンダーアプリには、文章で予定を入れられるもの、移動時間を予定と一緒に扱えるものがあります。 どのような機能があるかはできることにまとめており、画面の流れは使い方で順に説明しています。 文章や音声で予定を入れる手順は予定の入れ方、会議の前後に移動を組み込む考え方は移動時間で扱っています。
ほかのカレンダーアプリとの違いを並べて確かめたい場合は、他のカレンダーとの比較で、Macで使えるカレンダーアプリの料金を3年間に払う総額で並べ、機能の違いも表にしています。 導入前に気になる点はよくある質問に、料金と支払いの方法は購入に載せています。 予定を見る道具としてItsycalを残し、組み立てる道具を別に持つという使い分けもできます。 どちらを選ぶかは、いま時間を落としているのが見る場面か、入れて直す場面かで決まります。
よくある質問
Itsycalに予定が出ないとき、最初に何を確認すればよいですか?
標準のカレンダーアプリに、その予定が出ているかを確認します。カレンダーアプリにも出ていなければアカウントや同期の問題なので、システム設定のインターネットアカウントを見直します。カレンダーアプリには出ているのにItsycalにだけ出ない場合は、プライバシーとセキュリティ内のカレンダーへのアクセス許可と、Itsycalの設定の一般タブにあるカレンダーのチェックを確認します。
Itsycalで予定の時刻や内容を変更できないのは不具合ですか?
不具合ではありません。公開リポジトリの説明に、予定の作成と削除はできるが編集はできないと書かれています。一覧の予定をダブルクリックすると標準のカレンダーアプリで開くので、変更はそちらで行います。祝日や購読カレンダーのように書き込みが許されていないカレンダーの予定は、削除の操作も表示されません。
Itsycalの週番号がカレンダーアプリと違うのはなぜですか?
Itsycalはカレンダー左側の週番号を国際規格のISO 8601で数えますが、macOSは既定でこの規格に従っていないためです。公式ヘルプでは、システム設定の言語と地域で暦をISO 8601に切り替えると揃うと案内されています。日付そのものがずれる場合は、グレゴリオ暦以外の暦が選ばれていないかも確認します。
macOSを更新したらItsycalが落ちるようになりました。どうすればよいですか?
まず最新版に更新されているかを確認します。macOS Ventura への更新後に落ちる問題では、開発元がインターネットアカウントからiCloud以外のアカウントを削除して追加し直す手順を案内しています。削除中はそのアカウントの予定がMacから一時的に消え、追加し直すと再び同期されます。それでも直らない場合は、版の情報とMacの機種を添えて開発者に報告します。