Itsycalの料金|無料でできる範囲と、無料では届かないところ

Itsycalの料金を調べている人の多くは、無料のまま使い続けて困らないのか、どこかで有料版に切り替える必要が出てくるのかを知りたいはずです。 結論から書くと、Itsycalに有料版はなく、機能ごとの課金もありません。 そのうえで、無料だから足りないのではなく、道具の役割として届かない部分がはっきりあります。 この記事では、公式サイトと公開リポジトリで確かめた事実をもとに、払うお金、払わなくてよいお金、お金では解決しない部分を分けて整理します。 いくつものカレンダーに予定を分けて持っている人が、次に何を変えるかを決める材料にしてください。

Itsycalの料金は0円。有料版も課金もない

Itsycalは、Mowgliiという個人の開発者が作っているMac用のメニューバー常駐カレンダーです。 公式サイトの紹介ページには、Mowgliiのアプリはすべて無料だと書かれています。

My apps are free. If they're useful to you and you're feeling generous, I've set up some ways to donate. 出典: mowglii.com

料金は0円で、アカウントの登録も、ライセンスキーの入力もありません。 公式サイトから圧縮ファイルをダウンロードして、アプリケーションフォルダに置くだけで使い始められます。 ソースコードはGitHubで公開されており、ライセンスはMITライセンスです。 リポジトリは2016年1月に作られ、2026年9月にも更新が続いています。 Mac向けのパッケージ管理ツールであるHomebrewにも登録されており、2026年9月15日時点では公式サイトと同じ0.15.12を入れられます。 どちらの入手方法でも料金は発生せず、入手した後の中身も同じです。 社内で複数台のMacに同じアプリを配る場合は、コマンド1行で入れられるHomebrewのほうが手間を減らせます。

料金を確かめるときは、今の値段だけでなく、提供が続いているかどうかも見ておく必要があります。 2026年9月15日時点で確認した結果を表にまとめます。

確認した点 状況 確認した場所
提供の終了 告知なし。2026年4月5日に0.15.12を配布 公式サイトの更新履歴、自動更新の配信情報
新規の受付停止 登録の仕組み自体がなく、ダウンロードは公開中 公式サイト
運営者の変更 変更の告知なし。個人の開発者Mowgliiが公開 公式サイトの紹介ページ、GitHub
料金の改定 有料化の告知なし。寄付の案内のみ 公式サイトの紹介ページと寄付ページ

公開リポジトリには2026年9月13日付けで0.15.13のタグも付いており、開発が止まっている状態ではありません。

寄付はできるが、払っても機能は増えない

公式サイトには寄付のページがあり、Ko-fi、PayPal、Cash Appの3つの方法が案内されています。 寄付は任意で、金額の目安も示されていません。 寄付をしても、使える機能が増えたり、広告が消えたりすることはありません。 そもそもItsycalには広告も機能の制限もないため、寄付した人としていない人で、手元のアプリは同じです。

有料のアプリとの違いは、お金を払う理由が機能の購入ではなく、開発を続けてほしいという意思表示だという点です。 会社の経費で導入したい場合、請求書や領収書を前提にした購入の手続きは用意されていません。 社内のルールで、購入記録のないソフトウェアの利用に届け出が必要な場合は、無料で配布されているオープンソースのソフトウェアとして扱うことになります。

MITライセンスで公開されているので、ソースコードを読んで中身を確かめることもできます。 リポジトリの説明によると、Apple Developerのアカウントがなくても、Xcodeで手元のMac向けに署名してビルドできます。 メニューバーに常駐して予定を読み続けるアプリなので、何をしているかを確認できることを重視する人にとっては、料金よりこの点が判断材料になります。

無料のまま使える機能の全体

Itsycalは、機能を段階的に解放する作りではありません。 公式サイトとヘルプ、更新履歴に載っている機能は、すべて無料の同じアプリで使えます。

見る

  • メニューバーから月のカレンダーを開き、最大で2か月分を並べて表示
  • 予定の一覧は、予定なし、1日から7日、14日、31日分から選択
  • ISO 8601に沿った週番号の表示
  • メニューバーの時計の代わりに、日付と時刻を好きな書式で表示
  • ダークモードと、3段階の文字サイズ

入れる、参加する

  • 新しい予定の作成(件名、場所またはビデオ会議、URL、終日、開始と終了、繰り返し、通知、メモ、カレンダー)
  • 予定の削除
  • Zoom、Microsoft Teams、Google Meet、Webexなどの会議リンクを見分けて、開始の15分前から参加ボタンを表示
  • command、Jで、一覧の中の最初の参加可能な会議を開く

操作する

  • キーボードでの移動(矢印キーのほか、Vimと同じH、J、K、Lの操作に回数の指定)
  • command、shift、Tで任意の日付へ移動
  • itsycalから始まるURLで、指定した日付を開く
  • 毎正時に短い音を鳴らす設定と、その音を自分のmp3ファイルに差し替える設定

繰り返しの選択肢は、なし、毎日、毎週、2週ごと、毎月、毎年です。 これ以外の細かい繰り返しや、既存の予定の変更は、標準のカレンダーアプリで行います。

無料でも届かない部分は、料金ではなく役割の違い

無料のアプリだと、有料版に切り替えれば解決するのではと考えがちです。 Itsycalの場合、届かない部分はお金を払っても変わりません。 設計の段階で、標準のカレンダーアプリの隣で使う道具として作られているためです。

予定の編集はできない

公開リポジトリの説明には、予定の作成と削除はできるが編集はできないと書かれています。 時刻の変更や参加者の追加は、一覧の予定をダブルクリックして標準のカレンダーアプリで開き、そちらで行います。 会議の時刻が1日に何度も動く人ほど、この往復の回数が増えます。

アカウントを自分でつながない

ItsycalにはGoogleやMicrosoftのアカウントを追加する画面がありません。 表示できるのは、macOSのインターネットアカウントや標準のカレンダーアプリに設定したカレンダーだけです。 Googleで共有されたカレンダーの一部は、Googleカレンダー側の同期設定で選ばないと出てこないと、公式ヘルプに書かれています。

日本語の画面と暦

リポジトリに含まれる翻訳は、ドイツ語、スペイン語、フランス語、イタリア語、韓国語、簡体字中国語で、日本語の翻訳ファイルはありません。 そのため、設定画面などの文言は英語で表示されます。 暦はグレゴリオ暦にだけ対応しています。

Macの外には出ない

公式サイトで配布されているのはMac版だけです。 iPhoneやWindowsで同じ画面を見ることはできず、外出先の確認は各カレンダーサービスの公式アプリに頼ることになります。

見落としやすいのは、Itsycalの外でかかる費用と手間

Itsycalが無料でも、予定を管理する仕組み全体が無料になるわけではありません。 Itsycalは予定を読むだけなので、予定の置き場所であるカレンダーサービスの契約は、Itsycalを入れる前と変わらずに続きます。 会社でGoogle WorkspaceやMicrosoft 365を使っているなら、その契約の範囲で使えるカレンダーを、macOSに追加して表示する形になります。

対応するmacOSの版にも目を向けておきます。 現在の版はmacOS 11以降が対象です。 それより古いMac向けには、macOS 10.14以降向けの0.14.1、10.12以降向けの0.11.17、10.10以降向けの0.10.16、10.8以降向けの0.8.15が、公式サイトの更新履歴ページから無料で配布されています。 古い版には新しい修正が入らないため、無料で使える代わりに、不具合が直らないまま使うことになります。

もう1つの費用は時間です。 予定を見るのはメニューバーから数秒で済みますが、変えるときは標準のカレンダーアプリを開き、終わったら戻る動きになります。 仕事とプライベート、複数のサービスにまたがる予定を1日に何度も組み直す人は、この往復にかかる時間を費用として数えておくと、判断を誤りにくくなります。

無料で使い続けるときに、自分で引き受けること

有料のアプリを買うと、料金の中に問い合わせ窓口や、動作の保証の約束が含まれていることがあります。 Itsycalは無料で、個人の開発者が公開しているアプリなので、そうした約束はありません。 その分、使う側が引き受ける作業がいくつかあります。

更新を自分で確かめる

Itsycalは、Sparkleという仕組みで新しい版を知らせます。 設定の一般タブで自動確認をオフにしている場合、新しい版が出ても気づきません。 更新履歴には、0.15.7で起きたCPUの使いすぎを0.15.8で直した例や、macOS 26 Tahoeでのメモリリークを0.15.9で直した例が載っています。 自動確認をオンにしておくか、macOSを更新した後に手動で確認する習慣をつけておくと、こうした修正を取りこぼしません。

macOSの更新と付き合う

macOSの大きな更新の直後は、メニューバーやカレンダーの扱いが変わり、Itsycal側の修正を待つ期間が生じることがあります。 2022年のmacOS Ventura への更新後には、iCloud以外のアカウントを使っている人の間で落ちる問題が起き、開発元がブログでアカウントを削除して追加し直す回避策を案内しました。 仕事で毎日使っているMacなら、macOSを更新する前に更新履歴を見て、新しいmacOSへの対応が済んでいるかを確かめておくと安心です。

困ったときの窓口

問い合わせは公式サイトに載っているメールアドレスが窓口です。 紹介ページでは、メールを送る前にヘルプのページを読むほうが早く答えが見つかると案内しています。 不具合を知らせるときは、Itsycalの版、macOSの版、Macの機種と年式、IntelかAppleシリコンかを添えるよう求められています。 公開リポジトリでも利用者からの報告が受け付けられており、2026年9月15日時点で未解決の報告と、利用者からの修正の提案を合わせた件数は89件です。 返事の期限や解決の約束はないので、止まると業務に響く使い方をしている場合は、予定の確認手段を別に1つ持っておくと、止まったときに慌てずに済みます。

払う費用と、組み直す手間を並べて決める

Itsycalの料金の話は、0円で終わります。 判断が必要になるのは、そのうえで予定を組み直す作業をどこで行うかです。 次の3つの問いに答えると、Itsycalだけで足りるのか、別の道具を足すべきかが見えてきます。

  • メニューバーから標準のカレンダーアプリへ移って予定を直す回数が、1日に数回で収まるか
  • GoogleやExchangeのアカウントをmacOSに追加し、共有カレンダーの同期設定まで自分で面倒を見られるか
  • 英語の設定画面と、Macだけで完結する使い方に不便を感じていないか

3つとも問題がないなら、Itsycalと標準のカレンダーアプリの組み合わせで、費用をかけずに回ります。 引っかかるものがあるなら、有料のカレンダーアプリの料金と、今かかっている手間を並べて比べることになります。

他のカレンダーとの比較では、Macで使えるカレンダーアプリの料金を3年間に払う総額で並べており、Itsycalも無料の目安として併記しています。 無料版と有料版を分けているカレンダーアプリでは、どこまでが無料かの線引きが比べどころになります。 その線引きの一例として、購入では無料のまま使える機能とライセンスが要る機能を一覧にしています。 一覧に出てくる機能の中身はできることで、対応するmacOSや同期先、データの保存先はよくある質問で確かめられます。

よくある質問

Itsycalは本当に無料ですか?あとから課金されることはありますか?

無料です。公式サイトの紹介ページに、開発者のアプリはすべて無料だと書かれており、有料版や機能ごとの課金、アカウント登録はありません。2026年9月15日時点で、有料化や料金改定の告知も見当たりません。寄付の案内はありますが任意で、寄付をしても使える機能は変わりません。

Itsycalに寄付するにはどうすればよいですか?

公式サイトの寄付ページで、Ko-fi、PayPal、Cash Appの3つの方法が案内されています。金額の目安は示されていません。寄付は開発を続けてほしいという意思表示であり、見返りに機能が増えるものではないため、請求書や領収書を前提にした会社の購入手続きには向きません。

無料のItsycalで予定の編集はできますか?

できません。公開リポジトリの説明に、予定の作成と削除はできるが編集はできないと書かれています。一覧の予定をダブルクリックすると標準のカレンダーアプリで開くので、時刻や参加者の変更はそちらで行います。これは料金による制限ではないため、どこかに払って解除する方法もありません。

古いMacでもItsycalを無料で使えますか?

使えます。現在の版はmacOS 11以降が対象ですが、公式サイトの更新履歴ページで、macOS 10.14以降向けの0.14.1や、10.12以降向けの0.11.17などの古い版も無料で配布されています。古い版には新しい修正が入らないため、不具合があっても直らない点は理解したうえで使います。

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