Cron(Notion Calendar)とは|何ができて、どこで詰まるか
Cron(Notion Calendar)とは何かを調べる人の多くは、すでに予定が複数のカレンダーに散らばっています。 仕事のGoogleアカウント、私用のiCloud、取引先から招待が届くOutlook。 それを1つの画面にまとめる道具として名前が挙がるのがこのアプリです。 この記事では、アプリの成り立ちと仕組みを先に押さえ、そのうえで「自分の詰まりはこのアプリで解けるのか」を判断できるように、できることと手前で止まる場面を分けて整理します。
CronからNotion Calendarへ、何が変わったのか
Cronは、キーボード操作の速さで知られたカレンダーアプリでした。 Notionは2022年6月9日にCronの買収を公式ブログで発表し、2024年1月17日に同じアプリを「Notion Calendar」として公開しています。 公開時の告知は、Cronが名前を変えたものだと明言しています。
CronはNotion Calendarになりました。仕事と私生活にまたがる時間を管理し、整理し、優先順位を付けるための、より良い方法です。(原文は英語、編集部訳) 出典: notion.com
運営はCronの開発元からNotionに移り、同じ告知で「すべての利用者に無料」とされています。 2026年9月15日時点で編集部が確認した公式ページには、提供終了や新規受付の停止を知らせる記載はありません。 Notionの料金ページでも、Notion Calendarは無料プランの項目に並んでいます。
名前が変わって大きく変わった点は、Notionのデータベースとつながったことです。 日付の項目を持つデータベースなら、その行を予定と同じ画面に並べられます。 逆に言えば、Cron時代にはなかった「Notionアカウントとの結び付き」が、アカウントの入口に加わりました。 この点は後の節で詳しく触れます。
予定はアプリの中ではなく、つないだアカウントにある
Notion Calendarは、予定そのものを抱え込むカレンダーではありません。 Google、iCloud、Microsoft Outlookのアカウントをつなぎ、その中にある予定を読み書きする窓口です。 公式ヘルプのセキュリティの説明では、アプリから予定を削除しても、元のGoogleやiCloudのアカウントのゴミ箱に残り、復元できるとされています。
この仕組みには2つの意味があります。 1つは、アプリをやめても予定は消えないことです。 予定はアカウント側に残るので、別のカレンダーアプリに移っても同じ予定がそのまま見えます。 もう1つは、アカウント側の決まりにそのまま縛られることです。 たとえば、Googleカレンダーで購読していない外部カレンダーを、Notion Calendarの中から新たに購読することはできません。 ヘルプには、購読はGoogleカレンダー側で行えばNotion Calendarに表示される、と書かれています。
サインインの入口にも特徴があります。 Notion Calendarのアカウントは、Notionのアカウントに1つだけ結び付きます。 ヘルプは、サインアップに使ったNotionアカウントに入れなくなると、Notion Calendarにも入れなくなると説明しています。 そのため、勤務先のメールではなく、退職後も使い続けられる個人のメールで登録するよう勧めています。 結び付けるアカウントを変えたいときは専用の窓口に申請し、回答の目安は72時間以内とされています。 仕事のカレンダーは、登録後に2つ目以降のアカウントとして足せば足ります。
仕事と私用の予定をまたぐ「ブロック」
複数のカレンダーを持つ人がまず困るのは、私用の予定が仕事のカレンダーから見えないことです。 同僚から見ると空いている時間に、歯医者の予約が入っている。 この二重予約を防ぐのが、ブロックの機能です。
予定を右クリックして「Block on calendar」を選ぶと、別のカレンダーにその時間の枠を作れます。 1件だけでもよいですし、「All events from(カレンダー名)」を選べば、そのカレンダーに今後入る予定をすべて自動でもう一方に写す設定になります。 写すときは、元の予定の詳細を含めるか、「予定あり」とだけ表示するかを選べます。 私用の中身を仕事の相手に見せず、時間だけ押さえられるわけです。
注意したいのは、自動ブロックの解除です。 ヘルプには、すでにアクセスできなくなったカレンダーの自動ブロックを取り消したい場合、現状では問い合わせ窓口に連絡してほしいと書かれています。 転職などで古いアカウントを手放す予定があるなら、手放す前に自動ブロックを外しておくのが安全です。
また、同じ予定が複数のカレンダーに入っていて予定のIDが同じ場合、Notion Calendarは自動で1件にまとめて表示します。 画面上で予定が減ったように見えても、アカウント側では消えていないことがあります。
Notionのデータベースを予定と並べる
Notion Calendarならではの機能が、Notionのデータベースを予定と同じ画面に並べられることです。 日付の項目を持つデータベースであれば、プロジェクトの締め切りやタスクの期日を、会議の横に表示できます。 設定の「Notion workspaces」からワークスペースをつなぎ、左のサイドバーからデータベースを追加する流れです。 同じメールアドレスに属していても、ワークスペースが複数ある場合は1つずつつなぐ必要があります。
画面から編集できる範囲は、公式ヘルプに一覧があります。 タイトル、日付、ステータス、選択と複数選択、アイコン、テキスト、チェックボックスは編集でき、IDと担当者は表示のみです。 日付が数式や作成日時、最終更新日時から作られている場合、その日付はカレンダーの上で動かせません。 また、データベースを表示するには閲覧権限、ページを追加したり編集したりするには編集の権限が必要です。
使い方の例としては、タスクのデータベースで「日付が未設定」の行だけを左の一覧に出し、空いている時間帯へドラッグして期日を決める、という組み方があります。 変更はNotionの元のデータベースにそのまま反映されます。 ただし、データベースの行はNotion Calendarの中でだけ見える点に注意が必要です。 ヘルプには、GoogleカレンダーやiCloudのカレンダーには表示されないと書かれています。 スマートフォンの標準カレンダーや、家族と共有しているカレンダーでタスクの期日も見たい場合、この機能だけでは届きません。
会議の予定にNotionのページや、AIによる会議メモを付ける機能もあります。 このうちAIによる会議メモは、Notionの料金ページでは有料のBusinessプランの項目に並んでいます。 カレンダー自体は無料でも、周辺の機能には有料プランが前提のものが混ざっている、と押さえておくと混乱しません。
空き時間の共有とタイムゾーン
日程調整のためのリンク作成は、追加料金なしで使えます。 デスクトップとWeb版で、単発のリンクと繰り返し使えるリンクの2種類を作れます。 単発は特定の相手と特定の時間に会うため、繰り返しは面談や商談のように相手が毎回変わる用途向けです。 リンクには有効期限、場所、会議のURL、電話番号、予約を受け付ける期間の最短と最長、説明文を付けられます。 「Avoid conflicts」を有効にすると、あとから入った予定に合わせて空き時間が更新されます。
タイムゾーンは、画面の左側に複数並べて表示できます。 既定で並べられるのは合計4つまでで、それ以上はヘルプの別の手順が必要です。 キーボードの「Z」で一時的に別のタイムゾーンへ切り替えることもできます。 ただし、最初の設定時にGoogleカレンダーから主なタイムゾーンを読み込んだあとは、Notion Calendar側で変えてもGoogleカレンダーには反映されず、その逆も同じです。 海外出張が多い人は、2つのアプリでタイムゾーンがずれていないかを一度見ておくと混乱が減ります。
どこで詰まりやすいか
ここまでの機能で足りる人は多い一方、公式ヘルプを読むと、はっきり対応していない場面もあります。 自分の詰まりがこの一覧に入っていないかを確かめると、判断が早くなります。
| 場面 | 公式ヘルプの記載 |
|---|---|
| 予定の間の移動時間 | 現時点では移動時間に対応していない |
| チームの予定を見る機能 | 利用者のアカウントがGoogle Workspaceで管理されている必要がある |
| フォーカスタイムと不在の予定 | Google Workspaceの仕事用・学校用アカウントのみ |
| スマートフォンでの編集 | スマートフォンで作成し、自分が主催者の予定以外は編集できない |
| スマートフォンでのOutlook | 対応予定と記載 |
| つなげるカレンダーの数 | 5つを超えて追加できない場合がある(動作への影響のため) |
| Notionのデータベース | 追加できるのは20個まで |
特に影響が大きいのは、移動時間と、チーム機能の前提です。 対面の打ち合わせが多い人は、会議と会議の間に移動が入る組み方をアプリが助けてくれるわけではない、という前提で使うことになります。 また、同僚のカレンダーを横に並べて1対1の会議をドラッグで作る機能は、Google Workspaceの組織でなければ使えません。 個人のGoogleアカウントやiCloudだけで仕事をしている人には、この部分は届きません。
スマートフォン版の制約も見落としやすい点です。 予定やアドレスの検索、日程調整リンクの作成、週表示と月表示への切り替えはスマートフォンではできず、表示は1日、2日、3日のいずれかに限られます。 外出先で予定を組み替える場面が多い人は、デスクトップと同じ感覚では使えない前提で見ておく必要があります。
Mac用カレンダーアプリの資料から見る、判断の分かれ目
Notion Calendarが向いているかどうかは、機能の数よりも、詰まりがどこにあるかで決まります。 Notionで仕事を回していて、データベースの締め切りと会議を同じ画面で見たい人にとっては、無料でその橋渡しができる点が大きな利点です。 一方で、詰まりが「予定を入れるまでの手間」や「移動を含めた1日の組み立て」にある場合は、別の観点で道具を比べることになります。
予定を入れる手順については、予定の入れ方で、話し言葉の一文から日時や場所、会議のリンクを読み取って予定にする流れを具体例つきで説明しています。 話し言葉と音声で予定を入れられるかどうかは、キーボードの前にいない時間が長い人ほど差が出る点です。 移動時間については、移動時間で、住所から所要時間を計算して移動の枠を作る考え方をまとめています。
複数のアプリを並べて見たい場合は、他のカレンダーとの比較が参考になります。 Macで使えるカレンダーアプリを3年間に払う総額で並べ、Notion Calendarは無料アプリとして目安の欄に併記されています。 機能の一覧はできること、使い始めの手順は使い方、細かな疑問はよくある質問、料金の体系は購入で確認できます。
判断の順番としては、まず直近1週間で予定が崩れた場面を3つ書き出し、それが上の表のどの行に当たるかを見るのが近道です。 たとえば「午後の打ち合わせに遅れた」なら移動時間の行、「同僚が私用の時間に会議を入れた」ならブロックの設定、「外出先で時間を変えられなかった」ならスマートフォンの行に当たります。 同じ行に2回以上当たるなら、それが今の詰まりの中心です。 どの行にも当たらなければ、Notion Calendarのまま設定を見直す価値があります。 表の行に当たるなら、その1点を補える道具を探すほうが、全体を乗り換えるより手戻りが少なく済みます。
よくある質問
CronとNotion Calendarは別のアプリですか?
同じアプリです。Notionは2022年6月にCronの買収を発表し、2024年1月17日にCronを名前を変えてNotion Calendarとして公開しました。Macで使っていた人は、Notion Calendarとして引き続き使えます。運営はNotionに移っています。
Notionを使っていなくてもNotion Calendarは使えますか?
使えます。Notionのアカウントを持っていない場合は、Notion Calendarに登録するときに同じメールアドレスでNotionのアカウントが作られます。ただしアカウントは1つのNotionアカウントに結び付くため、勤務先のメールではなく、長く使える個人のメールで登録するよう公式ヘルプが勧めています。
Notion Calendarでアプリを削除したら予定は消えますか?
予定はGoogleやiCloud、Outlookのアカウント側に保存されているため、アプリをやめても予定は残ります。公式ヘルプによると、アプリから予定を削除した場合も、元のアカウントのゴミ箱に残り復元できます。別のカレンダーアプリに移っても同じ予定が表示されます。
個人のGoogleアカウントでもチーム機能は使えますか?
公式ヘルプでは、同僚のカレンダーを表示する機能などのチーム向け機能は、利用者のアカウントがGoogle Workspaceで管理されていることを前提にしています。フォーカスタイムと不在の予定も、Google Workspaceの仕事用・学校用アカウントに限られます。個人アカウントでは、自分の複数カレンダーをまとめる用途が中心になります。