MacでGoogleカレンダーを使うアプリ|5つの選択肢と選ぶ軸
「google カレンダーアプリ mac」で調べると、出てくる候補が多すぎて逆に決まらなくなります。標準のカレンダー、ブラウザをアプリのように使う方法、メニューバー常駐の小さなアプリ、月額のかかる高機能アプリ。並べ方が「機能の多さ」になっている記事が多いので、どれも良さそうに見えて、選ぶ理由が最後まで出てきません。
先に結論を書きます。これらのアプリは全部、同じGoogleアカウントの同じ予定を読んでいます。違うのは持っている予定ではなく、予定を入れる手間・一日の見え方・落ちる機能・費用の形の4つです。この記事では、その4つの軸で候補を並べ直します。最後に、費用をかける前に自分がどこで詰まっているかを見分ける手順を書きます。
公式アプリが無いのに、Mac用の候補だけが増えている
GoogleはGoogleカレンダーをAndroidとiOS向けのアプリとして配布していて、パソコン向けにはブラウザで開くWeb版を提供しています。macOS用の公式アプリは存在しません。この状態が長く続いたため、その空白を埋める形で他社のカレンダーアプリが増えました。
Google カレンダーは、パソコンではブラウザから、モバイル端末では Google カレンダー アプリから利用できます。 出典: support.google.com
他社のアプリがGoogleの予定を読めるのは、カレンダーの受け渡しに共通の決まりがあるからです。iCalendarという形式と、CalDAV(カルダブ)という通信の方式が公開されていて、これに沿って作られたアプリならどれでもGoogleのサーバーから予定を取り出せます。だから「対応しているか」で候補は絞れません。ほとんど全部が対応しています。
絞れるのはその先です。同じ方式で読んでいても、Googleにしか無い仕組みは共通の決まりの外にあるため、アプリ側には降りてきません。代表的なのがGoogleタスクと予約枠です。この2つを毎日使っている人にとっては、機能の多い有料アプリよりも、Web版をアプリのように独立させたものの方が失うものが少なくなります。候補を比べる前に、この線引きを先に済ませておくと迷いが減ります。
選ぶ前に決めておく4つの軸
機能一覧を眺めても決まらないのは、比べる軸を先に決めていないからです。実際に日常の差になるのは次の4つだけです。
軸1: 予定を入れるのに何手かかるか
一日で回数が多いのは、見る動作ではなく入れる動作です。会議のあとに「来週の火曜の午後で」と口頭で決まった予定を、あとでフォームを開いて日付と時刻と件名を打ち直す。この往復が1日に数回あると、入力そのものを後回しにして忘れる型に入ります。
そのため、書いた文をそのまま予定に変えられるか、話し言葉と音声で予定を入れられるかは、機能表の1行ではなく毎日の手数の差になります。予定の入れ方の考え方は予定の入れ方に整理してあります。
軸2: 一日の並びが読めるか
予定が全部入っているのに一日が回らない場合、原因は入力ではなく表示です。会議と会議の時刻はどちらも正しく、通知も鳴ったのに、その間に移動が入らないので崩れます。日表示に移動が形として出るのか、それとも予定の箱だけが並ぶのかで、崩れる前に気づけるかが変わります。移動時間の扱いは移動時間にまとめてあります。
軸3: 通知をどこで鳴らすか
同じアカウントを複数のアプリで開くと、通知はその全部から鳴ります。Web版、標準のカレンダー、他社のアプリ、スマートフォン。4か所から同じ通知が来ると、人はそのうち全部を無視するようになります。通知を出す係を1つに決めて、残りは切る。これは選ぶ段階で決めておく設定です。
軸4: 費用の形
金額の大小より、形の違いが後から効きます。無料、買い切り、月額や年額の継続課金の3種類があり、継続課金は使い続ける限り払い続けます。買い切りは大きな更新のたびに別途費用がかかる場合があります。カレンダーは10年単位で使う道具なので、月額の重さは検討の段階で年額に直して見ておくと判断がぶれません。
主な選択肢を4つの軸で並べる
Googleカレンダーを読める代表的な選択肢を、上の軸で並べます。金額は改定されるため、ここでは費用の形だけを書きます。
| 選択肢 | 費用の形 | メニューバー常駐 | 文からの予定作成 | Googleタスク・予約枠 |
|---|---|---|---|---|
| Web版をアプリ化 | 無料 | なし | あり(Web版の機能) | 見える |
| macOS標準カレンダー | 無料 | なし | 限定的 | 見えない |
| Itsycal | 無料 | あり | なし | 見えない |
| Fantastical | 継続課金(無料の範囲あり) | あり | あり | 一部のみ |
| BusyCal | 買い切りと継続課金の両方 | あり | あり | 一部のみ |
| Notion Calendar | 無料 | あり | あり | 見えない |
表で分かるのは、無料の範囲でもかなりの部分が埋まることです。Web版のアプリ化は機能で何も落ちませんし、Itsycalはメニューバーに月の一覧を出す用途に限れば無料で足ります。標準のカレンダーはmacOSの通知や集中モードとそのまま噛み合います。
一方で、無料の選択肢はどれも「一日の組み立て」には踏み込みません。予定を映すことと、予定を組み立てることは別の仕事です。他のカレンダーとの違いをどの軸で見るかは他のカレンダーとの比較に整理してあります。
無料の範囲を先に使い切ると、判断が正確になる
有料アプリを比べる前に、無料の2つを1週間ずつ使うと、必要な機能が自分で分かります。順番は次の通りです。
- Chromeでカレンダーのページを開き、メニューからアプリとしてインストールする。Dockにアイコンができ、タブの無いウィンドウで開く
- システム設定のインターネットアカウントからGoogleを追加し、カレンダーだけにチェックを入れる
- 標準のカレンダーの設定で、アカウントの更新間隔を最短にする
- 通知を出すアプリを1つに決め、残りのアプリとブラウザの通知を切る
- 1週間、崩れた日の原因を1行ずつ書き出す
最後の1行がいちばん効きます。「入力を後回しにして忘れた」なのか「移動が入らなくて遅れた」なのかで、必要な道具が変わるからです。前者なら入力の経路が短いアプリ、後者なら移動と余白を扱えるアプリになります。この見分けをせずに機能一覧で選ぶと、多機能なものを買って表示設定だけ触って終わります。
有料の選択肢に払う意味が出るのはどこか
継続課金や買い切りに意味が出るのは、無料の2つで埋まらない場所が特定できたときだけです。よくあるのは次の3つです。
1つ目は入力の経路です。文章を打ち込むだけで日時と件名に分解される、音声から予定に変わる、といった仕組みは無料の選択肢には基本的にありません。会議中に決まった予定をその場で入れられるかどうかは、機能表では小さく見えて、実際の抜け漏れには大きく効きます。
2つ目は複数アカウントの扱いです。個人と会社で別のGoogleアカウントを使っている場合、Web版では画面を切り替える必要があります。1つの画面に重ねて出せるかどうかで、二重予約の起きる確率が変わります。
3つ目は移動と余白です。予定と予定の間に移動時間を自動で置く、あるいは移動が入らない組み合わせを事前に見せる仕組みは、標準のカレンダーには入っていません。外出のある働き方だと、ここが崩れる原因の大半になります。カレンダーアプリが一日の組み立てにどこまで関われるかはできることに整理してあります。
メニューバー常駐で足りる人と、足りない人
候補の中には、メニューバーに月の一覧と次の予定を出すことだけに絞った小さなアプリがあります。無料のものが多く、動きも軽く、入れて困ることがほとんどありません。ただし、これで足りるかどうかは働き方で分かれます。
足りるのは、予定の数が1日に数件で、入力はスマートフォンかWeb版で済ませている人です。この場合、Mac側に求めているのは「次に何があるか」を一瞬で確かめることだけなので、常駐する小さな表示があれば目的は満たせます。カレンダー本体を開く回数が減り、画面の切り替えも起きません。
足りなくなるのは、予定を組み替える回数が多い人です。会議の依頼が届くたびに空き時間を探し、移動を挟めるか確かめ、別の予定を後ろにずらす。この作業はメニューバーの狭い領域では成立しません。週の全体を見ながら箱を動かす画面が要ります。
判断の目安は、1日のうちカレンダーを「見る」だけで終わる回数と、「動かす」回数の比です。見るだけが大半なら常駐型で足り、動かす回数が多いなら本体の画面が主役になります。この見分けを先にしておくと、多機能なアプリを入れてメニューバーの表示だけ使う、という無駄が避けられます。
乗り換えるときに壊れやすい3か所
アプリを変えるとき、予定そのものは移動しません。Googleのサーバーにあるものをどのアプリが映すかが変わるだけです。それでも次の3か所は確認が要ります。
1か所目は、降りてくるカレンダーの範囲です。1つのアカウントの下には、本人のメインの1本だけでなく、自分で分けた案件用のものや、同僚から共有されたものが並んでいます。この一覧が丸ごと新しいアプリへ降りてくるとは限りません。サイドバーに項目そのものが無いときは、アプリの表示設定を探す前に、Web版の一覧と突き合わせて何本足りないかを数えるほうが早く終わります。
2か所目は、更新の間隔です。CalDAVで接続する方式は、新着を押し込まれるのではなく決めた間隔で取りに行きます。既定が1時間になっていると、スマートフォンで入れた予定がMacに出るまで最大でその時間かかります。同期が遅いという不満の多くは、この値を短くすると消えます。
3か所目は、通知の重複です。新しいアプリを入れたあと、古いアプリの通知を切り忘れる。2つのアプリから同じ通知が鳴る状態は、切り替えの直後にいちばん起こります。
もう1つ、乗り換えた初日に見ておくと安心なのが、新しい予定を保存する先のカレンダーです。どのアプリにも新規の予定を入れる先が1つ決められていて、その値がGoogleではなく手元のMacやiCloudのままになっていることがあります。この状態で作った予定はGoogleに届かず、スマートフォンにも出ません。同期の不具合に見えますが、原因は保存先です。設定を直しても、直す前に作った予定は移動しないので、個別に開いてカレンダーを変える必要があります。
内部データから見えること: 詰まる場所は入力側と表示側に分かれる
アプリを比較して選ぼうとしている人の相談は、設定が終わったあとに2つの型に分かれます。1つは予定を入れる手間で落ちている型、もう1つは一日の並びが読めなくて落ちている型です。
入力側で落ちている型は、口頭で決まった予定を後回しにして忘れる、フォームを開くのが面倒で入れない、という形で現れます。この型に効くのは表示の作り込みではなく、入力の経路を短くすることです。文と音声から予定に変えられるかどうかが、この型の人にとってだけ意味のある差になります。実際の入れ方は使い方に手順として置いてあります。
表示側で落ちている型は、予定は全部入っているのに一日が回らない、という形で現れます。原因は多くの場合、予定と予定の間の移動です。これは入力の速さでも表示の自由度でも直りません。移動を予定として扱えるかどうかが分かれ目になります。
判断の順番としては、まず無料の2つを試して1週間の記録を取り、記録が入力側に偏っているのか表示側に偏っているのかを見てから有料の選択肢を検討する。この順番であれば、費用をかける前に自分の型が分かります。動作環境や対応するアカウントの種類についてよく届く質問はよくある質問に、購入の条件は購入にまとめてあります。
よくある質問
MacでGoogleカレンダーを使うのに、有料アプリは必要ですか?
必要とは限りません。Web版をアプリのように独立させる方法と、macOS標準のカレンダーにアカウントを追加する方法は、どちらも無料で予定を全部読めます。有料に意味が出るのは、入力の手数を減らしたい場合と、複数アカウントを1画面に重ねたい場合、移動時間を予定として扱いたい場合です。
他社のカレンダーアプリを使うと、Googleの予定が消える心配はありますか?
ありません。予定の実体はGoogleのサーバーにあり、アプリはそれを読んで表示しているだけです。アプリを削除してもアカウントを外しても、Google側の予定は残ります。試して合わなければ元に戻せるので、比較に時間をかけるより実際に1週間使う方が早く判断できます。
GoogleタスクはMac用のカレンダーアプリに出ますか?
出ないものがほとんどです。タスクはカレンダーとは別のサービスで、CalDAVという共通の方式には含まれていないためです。Web版とGoogleの公式アプリでは見えますが、共通方式で接続したアプリには降りてきません。タスクを毎日使っているなら、Web版を何らかの形で開いておく必要があります。
複数のGoogleアカウントを1つの画面にまとめられますか?
アプリによります。macOS標準のカレンダーは複数アカウントを追加して1つの画面に重ねられますし、他社製のアプリも多くが対応しています。Web版は画面の切り替えが必要です。個人と会社で予定を分けている場合、まとめて見られるかどうかが二重予約の起きやすさに直結します。