日程調整の費用|無料でできる範囲と、人数で変わる年額

日程調整に費用をかけるかどうかは、月額の数字だけを見ても決まりません。1人で使うのか、部署の全員で使うのか。相手の画面に広告が出てもよいのか。すでに会社で払っている契約の中に同じ機能が入っていないか。これらによって、同じツールでも年額が数千円で済む人と、数十万円になる人に分かれます。

この記事では、日程調整にかかる費用を形ごとに分け、無料で済む範囲と、無料と引き換えに手放しているものを並べます。そのうえで、公開されている料金をもとに、1人・5人・20人で使ったときの年額を計算します。料金以外に確かめておきたい、サービスの終了や改定の履歴も最後にまとめます。金額はいずれも各社の公開ページに書かれている税抜の表示で、改定されることがあります。

日程調整の費用は、主催する側だけが払う

日程調整のツールには、共通する料金の前提があります。費用を払うのは候補を出す側、つまり主催者で、候補を選ぶ相手はほぼ例外なく無料で、登録もいりません。相手に負担をかけないことが、そのまま道具の価値になっているためです。

そのうえで、料金の形は大きく3つに分かれます。

  • 完全無料の形。登録なしで出欠表を作れて、運営費は広告でまかなう
  • 無料枠つきの形。基本の機能は無料で、人数や細かい設定を増やすと1人あたりの月額がかかる
  • 契約に同梱の形。GoogleやMicrosoftのように、メールやカレンダーの契約の中に日程調整の機能が入っている

国内で広く使われているサービスは、この3つにきれいに当てはまります。調整さんは2006年に始まった出欠表のサービスで、ログインなしで使えます。同じ会社が運営するTimeRexは、ビジネス向けの予約型で、無料のフリープランの上にベーシックとプレミアムがあります。Googleカレンダーの予約スケジュールは、個人のGoogleアカウントでも作れます。自分の用途がどの形で足りるかを先に決めると、比べる相手が絞れます。

無料で済む範囲を、形ごとに確かめる

完全無料の出欠表

調整さんは、URLを送るだけで出欠確認と日程調整ができる出欠表のツールです。候補日を並べ、参加者がそれぞれ都合を記入し、主催者が一覧を見て決めます。社内の飲み会、同窓会、10人規模の打ち合わせのように、相手の予定表を読み取る必要がなく、全員に同じ形で答えてもらえば済む用途なら、費用はかかりません。

無料枠のある予約型

TimeRexのフリープランは、料金ページで「ずっと無料で利用できます」とされ、日程調整カレンダーの数、日程調整の回数、候補を選んでもらう日程調整がいずれも無制限です。複数人の予定を考慮した調整や、Zoom・Microsoft Teams・Google Meetとの連携、ChatworkやSlackとの連携も無料プランに含まれます。

Spirの料金ページでは、Freeプランは利用人数2人まで、空き時間リンクは3つまでです。無制限の日程調整、複数カレンダーとの連携、Web会議ツールの連携、Slack通知は無料の範囲に入っています。登録後30日間は、人数や空き時間リンクの制限なく試せます。

契約に同梱の予約ページ

Googleカレンダーの予約スケジュールは、個人のGoogleアカウントで予約ページを1つ作れます。予約ページを2つ以上作る、リマインダーメールを自動で送る、複数のカレンダーをまたいで空きを確認する、といった機能は、Google OneやGoogle Workspaceの対象の契約が必要です。

無料と引き換えに手放しているもの

無料の範囲を比べるとき、機能の数だけを並べると見落とすものがあります。お金の代わりに何を差し出しているかです。

1つめは、相手の画面に出る広告です。調整さんの法人向けの版である調整さんビジネスは、その特徴を次のように説明しています。

すべてのページで広告非表示。取引先やお客様がアクセスする日程調整ページ上に競合サービスの広告表示リスクがないため、ビジネスシーンでの日程調整にも安心してご利用いただけます。 出典: chouseisan.com

裏返せば、無料の版では取引先が開く画面に広告が出るということです。社内の飲み会なら気にならない人でも、見込み客や採用の候補者に送る画面なら判断が変わります。

2つめは、無料枠が後から狭くなる可能性です。Spirは2025年9月25日に料金プランを改定し、同じ日からFreeプランで使える機能を絞りました。対象になったのは、1日の確定予定数の上限設定、会議室の自動予約、確定後の別サイトへのリダイレクト、カレンダーに登録される予定名のカスタマイズ、確定時に通知するメールアドレスの追加、調整相手への質問フォーム、Webサイトへの埋め込み、代理での予定の削除・編集、Webhook連携の9つです。無料枠は提供側の判断で変わるもので、業務の流れを無料の機能だけで組むと、その変更がそのまま作業の変更になります。

3つめは、確認の範囲です。Googleの予約スケジュールを無料で使うと、空き確認に使えるのは予約ページを作ったカレンダーです。仕事と私用をカレンダーで分けている人は、見られていない側の予定と重なる予約を受けることになり、その取り消しの連絡という手間を払うことになります。

1人・5人・20人で使うと、年額はいくらになるか

有料の入口は、1人あたりの月額が安く見えても、人数と支払い方で総額が大きく動きます。公開されている料金から、年払いで計算すると次のようになります(税抜)。

プラン 1人あたり月額(年払い) 1人の年額 5人の年額 20人の年額
TimeRex ベーシック 750円 9,000円 45,000円 180,000円
TimeRex プレミアム 1,250円 15,000円 75,000円 300,000円
Spir Team 1,200円 14,400円 72,000円 288,000円

月払いを選ぶと、TimeRexのベーシックは1人あたり月900円、プレミアムは月1,500円、Spir Teamは1シートあたり月1,500円です。TimeRexは年払いの割引を16%と表示しており、Spir Teamは年払いと月払いの差が20%です。20人で使うSpir Teamを月払いにすると年360,000円で、年払いより72,000円多くなります。

調整さんビジネスは形が違い、1ユーザーあたり月額100円からで、最小の利用ユーザー数が100人と書かれています。この条件のとおりに計算すると最小で月10,000円、年120,000円になり、5人の部署で使うには割高で、数百人の組織で広告を消したい場合に筋が通る設計です。

表から読み取れるのは、5人までなら年に数万円、20人になると年に20万円から30万円の単位になるということです。20人のうち、実際に社外から予約を受ける人が5人だけなら、15人分の席は払わなくても業務は回ります。

席の数え方で、同じツールの総額が変わる

1人あたりの月額が同じでも、何を1人と数えるかで請求は変わります。契約の前に、次の3点を確かめておくと、席の買いすぎを防げます。

  • 誰に席が必要か。予約を受ける人だけか、予約の結果を見る人も含むか。TimeRexはベーシック以上でアシスタント向けの無償のライセンスを用意しており、日程を代わりに管理する人の分の費用がかからない
  • 席を途中で増減できるか。Spirの改定では、1名単位でシート数を増やしたり減らしたりできる形になった。年払いで契約したあと、人数が減ったときの扱いは契約前に確認する
  • 人数が増えたときの上位の枠。TimeRexは40名以上での導入をエンタープライズプランとして別に案内している

人数で費用が決まる以上、最初にやるべきなのは、社外から日程を受ける人を実際に数えることです。部署の全員に配ってから使っていない人を探すより、必要な人から始めて足していくほうが、無駄な年額は小さく済みます。

すでに払っている契約に、同じ機能が入っていないか

新しく契約する前に、会社で払っているメールとカレンダーの契約を見直します。日程調整の機能が同梱されていることが多いためです。

Microsoft 365では、Bookingsが次の契約に含まれるとMicrosoftの資料に書かれています。Business Basic、Business Standard、Business Premium、Teams Essentials、Teams Premium、そしてE1、E3、E5などの企業向けと教育機関向けの一部の契約です。個人向けのMicrosoft 365 PersonalやFamilyは、この一覧に入っていません。Outlookに組み込まれた日程調整の投票は、主催者がMicrosoft 365のExchange Onlineのメールボックスを持っていることが条件で、投票する側は有効なメールアドレスがあれば参加できます。

Googleの予約スケジュールでは、予約ページを複数作る機能、リマインダーメールの自動送信、複数カレンダーでの空き確認が、Google One PremiumやWorkspace Individual、Business Standard以上などの契約で使えるようになります。個人でGoogle Oneの上位の契約をすでに払っている人は、追加の費用なしでこれらが使える可能性があります。

同梱の機能で足りるかを先に試し、足りない理由が具体的に分かってから専用のツールを契約する。この順番にすると、年額の判断を数字で説明できます。

料金以外に確かめたい、終了・受付停止・運営会社・改定

日程調整のツールは、署名や案内ページに住所が貼られ、取引先の手元にも残ります。サービスの変化は、そのまま相手に見える不具合になります。料金と同じくらい、次の4つの履歴を確かめておく価値があります。公開されている事実だけを並べます。

  • 運営会社の変更:調整さんは、2018年3月30日付けで株式会社リクルートホールディングスからミクステンド株式会社へ事業が譲渡された
  • 新規受付の停止と終了:Googleカレンダーの予約枠は新しく作れなくなり、2024年8月7日以降は残っていた枠も予約できなくなった。代わりに予約スケジュールが用意されている
  • 機能の終了と置き換え:OutlookのFindTimeというアドインは2023年12月に廃止され、Outlookに組み込まれた日程調整の投票に置き換わった
  • 料金の改定:TimeRexは2020年4月にベーシックとプレミアムの有料プランを追加した。Spirは2025年9月25日に料金プランを改定し、同日から旧プランの新規申し込みを停止、2025年12月1日以降の契約更新で新プランのTeamへ自動で移行するとした

どれも、そのサービスを選んではいけない理由ではありません。ただ、何年も同じ住所を使い続けるつもりなら、変化が起きたときに案内を差し替える手間まで含めて費用を見積もると、判断がぶれにくくなります。

公開情報から見える、費用を決める本当の変数

各社の料金を並べると、日程調整の費用を決めているのは、ツールの単価よりも2つの変数だと分かります。社外から日程を受ける人数と、予定がいくつのカレンダーに分かれているかです。

人数は、上の表のとおり年額をそのまま掛け算で動かします。カレンダーの数は、無料枠で足りるかどうかを決めます。予定が1つのカレンダーにまとまっていれば、多くの無料枠で重複の確認まで済みます。仕事用と私用、GoogleとOutlookに分かれていると、横断して空きを確認する機能のために有料の側へ進むか、共有の設定で見える範囲を広げるかを選ぶことになります。どこに何の予定があるかを1つの画面で見渡せる状態は、どちらを選ぶにしても前提になり、その見え方はできることで確認できます。

もう1つ、費用に表れないものがあります。予約が入ったあとの一日の形です。移動が入る日は、空き枠がいくつあるかより、予定と予定のあいだに移動が収まるかが問題になります。この点は移動時間で扱っています。Mac向けのカレンダーアプリの料金と機能の違いは他のカレンダーとの比較に、支払い方の一覧は購入にまとめてあります。

よくある質問

日程調整のツールで、相手側に費用がかかることはありますか?

候補を選ぶ相手に費用がかかる形は、一般的ではありません。費用を払うのは候補を出す主催者で、相手は登録なしで使えるものが大半です。ただし、無料の出欠表では相手の画面に広告が表示されることがあり、取引先に送る画面では法人向けの版を選ぶ理由になります。

5人のチームで有料の日程調整ツールを使うと、年にいくらかかりますか?

公開されている年払いの料金で計算すると、TimeRexのベーシックは5人で年45,000円、Spir Teamは年72,000円です(いずれも税抜)。月払いにするとTimeRexのベーシックは年54,000円、Spir Teamは年90,000円になります。予約を受けない人の席を減らせば、この金額はさらに下がります。

無料プランのまま使い続けて困るのはどんなときですか?

予定が複数のカレンダーに分かれていて、無料枠では片方しか空きを確認できないときと、無料枠の機能が改定で狭くなったときです。Spirは2025年9月25日にFreeプランで使える機能を9つ絞りました。業務の手順を無料の機能だけで組んでいると、改定がそのまま手順の変更になります。

Microsoft 365を契約していれば、別の予約ツールは必要ありませんか?

Business BasicやBusiness Standardなどの契約にはBookingsが含まれます。Outlookの日程調整の投票も、主催者がExchange Onlineのメールボックスを持っていれば使えます。まず同梱の機能で試し、足りない点が具体的に分かってから別のツールを検討する順番が確実です。

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